

そんな中学生の皆さんもいるのではないでしょうか。
そこで、こちらの記事では勉強に集中するための方法のうち、中学生の皆さんにおススメしたい方法をご紹介。
- 記事の内容は
●やることを1つ1つ終わらせる“シングルタスク”が良い理由
●“シングルタスク”が良いと言われる根拠
●タスクを効率よくこなす手法“アイビー・リー・メソッド”と具体例
●まとめ
●豆知識:アイビー・リー・メソッド誕生の逸話
こちらの記事を書かせて頂いたのは、

●開校5年半で、新潟県内トップ私立高校合格者を輩出。
●年評定平均:中学時代3.7→高校進学後4.9、4.8の塾生を輩出。
●サポートした不登校の卒塾生、大学へ進学。
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2020年1月、開設13ヵ月目で月間3万PV超。
●元公立高校教員
●現役カウンセラー
考え方もあわせて、近年の脳科学の研究結果をもとに解説していきます。

勉強だけでなく、仕事など様々な課題の解決に応用できる方法です。
勉強に集中するには、やることを1つ1つ終わらせる
中学生の皆さんも、忙しい日々を送る人が増えた昨今。

と、考える人もいるかもしれません。
ところが、近年の脳科学の研究では、
同時に複数の作業を処理する“マルチタスク”(日本語では“ながら”)は効率が悪くなる
と言われています。
一方、課題を1つ1つ終わらせるために“やることリスト”(To-Doリスト)つくって課題に取りくめば、誰でも簡単に勉強に集中することができるのです。
“やることを1つ1つ終わらせる”のが良い理由
やることにいつも追いかけられて、走らされている感覚になってしまうのは、同時に複数の作業を処理しようとするマルチタスクに要因があります。

専門家の見解をいくつかご紹介していきます。
シングルタスクが良いってホント?
もちろん、マルチタスクで効率が悪くならないならそれに越したことはないのですが、
マルチタスクができてる、と思っている人も、実はタスクからタスクへとすばやく切り替え(タスク・スイッチング)ているだけ
とスタンフォード大学の神経科学者エヤル・オフィル博士は解説しています。
また、マサチューセッツ工科大学(MIT)の神経科学の権威アール・ミラー氏は
人間の脳はマルチタスク能力を上手く発揮するような構造になっていない
といった趣旨の発言をしています。
早稲田大学リサーチイノベーションセンター教授の枝川義邦先生は
もともと脳はシングルタスクでしか働けない仕組みになっている
と説明。
中には、
タスク・スイッチングをすると、生産性は一般的に約4割も低下。
脳のオーバーロードを引き起こし、脳内の灰白質を収縮させてしまう。
という、ちょっと背筋が寒くなるような記事もありました。
勉強への集中を高めるシングルタスクに良い方法は?
先ほどの先生方は一様に「マルチタスクをやめて、シングルタスクに!」と述べています。
では、勉強への集中のために、何から手を付けてどんな方法を取り入れたらいいでしょうか?
シングルタスクとは“一度に一つの課題に集中して作業を進める方法”と言いかえることもできます。
役立ちそうな方法を探している時に偶然出会ったのが
“アイビー・リー・メソッド”という課題解決のテクニック
でした。
今から100年ほど前のアメリカ。
多くの大企業や団体の広報顧問として活躍し“PRの父”と呼ばれているアイビー・レドベター・リー氏が考案した課題解決の手法(メソッド)が、これからご紹介する“アイビー・リー・メソッド”です。
アイビー・リー・メソッドのやり方
アイビー・リー・メソッドの具体的なやり方は紹介者によってさまざまです。
筆者が1年以上続けられている方法は、次のようなもの。
●書き込むページに、明日(または今日)の日付を記入。
●“やること”(やりたいこと、やるべきこと)を5~6個書き出してリストを作る。
※1日の終わりなら明日1日分、1日のスタートなら今日1日分。
●書き出した「やること」に、優先度の高い順に番号を付ける。
●付けた順番通りに、課題に取り組む。
●終わった“やること”に印を付ける。
●全部できなくても自分を責めない、できなかったことを引きずらない。
これを毎日繰り返すだけ。
特に難しいことは1つもなく、小学生もできる内容です。
アイビー・リー・メソッドの具体例
写真は筆者の自分用ノートです。

人に見せるものではないのでお恥ずかしいですが、毎日続けられています。
それぞれのタスクの先頭に付けた印の意味は、
チェックは、終わったもの、
○印は、終わらなかったもの。
後で見分けがつくようにしています。
こういった手法は数多ありますが、この方法は100年近く生き残ってきました。
筆者もダメ元で始めてみましたが、気づいたら

アイビー・リー・メソッドのおすすめポイント3点
このメソッドのおすすめポイントはたくさんありますが、筆者が考える代表的なポイントは3つあります。
その1)5~6個のリストは、毎日つくれる。
1日5~6個の“やることリスト”なら、凡人の筆者でもわりと毎日書き出せることに気づきました。
すべて完了することは稀ですが
あっちもこっちも手を出してどれも中途半端になってしまう、といったことが減りました。
最近は、3~4個は終わらせることができるようになってきています。
その2)全部終わらなくても、気にしなくて良い。

と、自分を責めてしまうタイプの方、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。

と言われても…
筆者も終わらないと気になってしまう方です。ですので、意識して

言い聞かせるようにしています。
できなかったものに○印を付けているのも、×印をつけてわざわざ自分自身にダメ出ししてモチベーションを下げてしまうのを防ぐためです。
この工夫のおかげでかなり気が楽になり

と、気持ちを切り替えられています。
できる日もあれば、できない日もある…
毎日高いパフォーマンスを維持できる人は多くないのですから、まずは継続を最優先にしています。
ポイント3)シンプルで、自由度が高い。
3ヵ月ほど続けたところで“やること”に自分なりの工夫を加えるようになりました。
単純な作業はwork、考える必要があることはbusiness、というようにタスク処理の負担レベルの違いで分類。
businessを頭の働く午前中、作業を午後に割り振ったり、businessとbusinessの合間workを入れたり
自分なりのアレンジを加えて効率アップにつながるよう工夫しています。
また、半分程度おわったものには△印を付けたり、
優先順位が決められない日は、あえて順番を付けなかったり…
筆者はノートに手書きですが、スマホやタブレットのTo-Doリストアプリを活用しても良いかもしれません。
シンプルなので自由度が高く
自分なりにカスタマイズしやすいところもこのメソッドの良いところです。
アイビー・リー・メソッドで対応しきれない時は?
筆者は教育サービス業ですので、お客様の都合で急に“やること”が変わることもあります。
そこで本来はやることを6個書き出すところ、5個にしています。
⑥は最初から空けておいて、急に入った課題をそこに入れるように。
同時に複数入ったときは、追加で入った課題のうち一番優先順位の高いものを⑥にして、残りは翌日以降に回すようにしています。
この工夫の結果、その日のうちにやらなければならないことは意外と少ないことに気づいたのです。
もちろん、場合によってはそうも言っていられない用事や事情もあるでしょう。
そのときには、⑤と⑥は最初から空けておくなどアイデア次第でさらに工夫加えることもできるのです。
勉強に集中する方法。中学生向けのやり方 まとめ
こちらの記事では、勉強に集中する方法について、中学生の皆さん向けに
●やることを1つ1つ終わらせる“シングルタスク”が良い理由
●“シングルタスク”が良いと言われる根拠
●タスクを効率よくこなす手法“アイビー・リー・メソッド”と具体例
筆者は

です。
そんな筆者がでも「やってみよう!」 と思えたのは、とにかくシンプルでわかりやすい手法だったから。
●「アイビー・リー・メソッド」を取り入れる。
気づいたら、1年以上続けられてます。
勉強でも、目標達成でも、課題解決でも、習慣化できれば大きな強みになります。
このメソッドのポイント3点を一言でまとめると、習慣化しやすいということ。
作業できない日があっても
●2日できない日が続いてもOK
の2つのルールで、習慣化を強化できています。
筆者的には、効率が大きくアップした、というより、
●メンタル面を、やりたいこと、やるべきことを終わらせよう!にしてくれる心理効果が高い。
そんな手法と感じています。
多くの生徒さんは、マルチタスクに向かないことははっきりしているようですので、
勉強に集中できない、
勉強に集中する良い方法を知らない、
やりたいこと、やるべきことが終わらない、
忙しくて時間がたりない、
とお悩みの皆さんには、特におススメの手法。
中学生だけでなく、小学校高学年の皆さんから保護者の皆様まで、使う方を選ばない、1世紀以上も生き残っている課題解決の手法。
筆者や個別指導塾スクールNOBINOBIの塾生の皆さんのように、想像以上の効果をもたらしてくれるかもしれません。
すこしでも、記事を読んでくださった皆様のお役立てれば幸いです。

中学生の皆さんは、ノートのまとめ方を学校や塾、ご家庭で教えてもらった記憶はありますか?教育ママ、教育パパの元で育った筆者も、学校や塾も含めて勉強の役にたつノートのまとめ方や取り方、活用法は、教えてもら[…]
豆知識|アイビー・リー・メソッド誕生の逸話
アイビー・リー・メソッドの具体的なやり方は紹介者によってさまざまですが、こんな逸話が伝えられています。
巨大企業ベスレヘム・スチールの初代社長となったチャールズ・M・シュワブ(1906年着任)。
彼から経営への助言を請われたアイビー・リーは、
「最も重要な項目を並べるのを毎日行い、時間が許す限りその順番に仕事に取りかかってください。」
アイビー・リー(ウィキペディア)より引用
とアドバイスしたそうです。
後にシュワブ氏は、これまで受けたアドバイスの中で最も有益だったと、アイビー・リーに25,000ドル(現在の価値でおよそ4400万円)を支払ったとのこと。
シュワブ氏が、アイビー・リー・メソッドを高く評価したことがうかがえる逸話です。