小学生・中学生をおもちの
保護者の皆様の中には、
最近お子さんの
元気がなくなってきた、
学校に行きしぶるようになった、
朝になると調子が悪くなる、
などの変化があると
と心配されると思います。
また、実際に不登校当事者の
保護者様もいらっしゃる
のではないでしょうか。
そこで、こちらの記事では
保護者様と
児童生徒の皆さんに
ここ10年で大きく変わった
と言われている
不登校の現状を
グラフを使って
わかりやすく
お伝えしていきたい
と思います。
記事の内容は、
●不登校の現状、“基本”をデータをもとに確認
・不登校は10年前の1.65倍、
・中学生の7.5人に1人が学校に対し、困難さを抱えている
●不登校の現状、詳しく確認
・学校に行きにくくなったきっかけと理由
・不登校、学校に行かないときの様子
・不登校時に利用した支援機関
・なにがあれば、不登校にならなかった?
・どんな環境で学びたい?
●まとめ
記事を書いているのは、
●新潟市の中央区でフリースクールNOBINOBIを開校(2022年8月開校)
●マンツーマン個別指導塾運営9年目
●塾にてサポートした不登校の卒業生、大学進学(在学中)
●オリジナル直筆記事がグーグルの2ワード検索で1位(2022.9.22現在)
●現役カウンセラー
●元公立高校教員
●前職は環境省アクティブ・レンジャー
●何でもやってみたいおじさん(当サイトも自作)
こと“のびのび”。
ナビゲーターは、
です。
不登校・不登校傾向の
小中学生と
保護者の皆様の
現状把握の一助になれば幸いです。
もくじ【タップで移動】
データで見る不登校の現状
保護者皆様の世代は
「学校は行かなければならないもの」
と、言い聞かされて育った世代。
お子さんが
となると、
強い拒否反応を起こすことも。
「学校に行かない」
という日本の子ども達の現状を
知ることで
冷静に対処する助けになります。
そこで、こちらでは
文部科学省「不登校児童生徒の実態調査に関する調査報告書」(2021年10月発表)
の2つデータをもとに
不登校の現状を確認していきます。
不登校の現状、基本を確認
不登校をめぐる状況は実際どうなのでしょうか?
2020年度の文部科学省(以下、文科省)調査では
小学生・中学生の長期欠席者
(=年度内で30日以上欠席した児童生徒)は
約29万人。
20年度の小中学生総数は約951万人ですから
29÷951×100=3.04%
の児童生徒さんたちが
長期欠席となっています。
29万人から
病気、経済的理由、新型コロナ、その他を除くと
約19.6万人。
これが文科省が“不登校”と
考える児童生徒さんの数。
割合は 19.6÷951= 約2.06%
(196,127人/小中総数9,511,972人=2.0618%)
となります。
小学校1年生から中学校3年生の
学年別児童生徒数をグラフ化
すると……
2010年度の不登校児童生徒さん数は
約12万人でしたので、
10年前から7.8万人、
19.8÷12=1.65倍に増加
ということになります。
年間欠席日数が30日未満でも
不登校傾向にある中学生
の調査もされています。
日本財団が2018年に
約6500人の中学生を対象に
インターネット上で行った
「不登校傾向にある子どもの実態調査」
では30日以上欠席社数の推計は10万人、
文科省の実数調査と
結果がほぼ一致する調査です。
この調査では、
●1週間以上連続欠席
●当校するが授業不参加
●基本的に教室で過ごすが授業に参加する時間が少ない+皆と違うことをしがち
●基本的には教室で過ごし皆と同じことをしているが、心の中で学校に通いたくない・学校が辛い・嫌だ
をまとめて“不登校傾向”
としていて、全国の総数は
推計で約33万人。
不登校10万人に
不登校傾向33万人を合わせた
約43万人が
学校に対し困難さを抱える生徒さん
と言えます。
43÷325(中学生総数)=13.2%
7.6人に1人
が、そんな生徒さんたちなのです。
不登校の現状、児童生徒と保護者の状況
前出の文科省
では不登校児童生徒と保護者への
より詳しい調査も行っています。
学校に行きにくい|きっかけ(複数回答、20%以上の項目)
学校に行きにくくなった“きっかけ”は
何だったのでしょうか?
複数回答で、
小学生と中学生の20%以上が
“あてはまる”と思った項目は
それぞれ7項目。
小学生、中学生ともに全て同じ項目
ですが、順位は違っています。
2位:行こうとすると腹痛など、身体の不調
3位:朝起きられないなど、生活リズムの乱れ
4位:きっかけが自分でもよくわからない
5位:いじめなど、友達のこと
6位:テストが良くなかったなど、勉強がわからない
7位:いじめ、嫌がらせ以外の、友達のこと
※筆者によるグラフ化。転載をお控え頂きありがとうございます。
2位:テストが良くなかったなど、勉強がわからない
3位:体罰など、先生のこと
4位:いじめ、嫌がらせ以外の、友達のこと
同率5位:いじめなど、友達のこと
同率5位:朝起きられないなど、生活リズムの乱れ
7位:きっかけが自分でもよくわからない
※筆者によるグラフ化。転載をお控え頂きありがとうございます。
学校に行きにくい|理由(複数回答、20%以上の項目)
学校に行きにくくなった“理由”は
何だったのでしょうか?
きっかけとは分けて調査されています。
複数回答で、
小学生の20%以上が
“あてはまる”と思った項目は7項目。
中学生の20%以上が
“あてはまる”と思った項目は6項目。
小学生、中学生ともに6位まで同じ項目
でしたが、順位はこちらも違っています。
同率2位:体罰など、先生のこと
同率2位:朝起きられないなど、生活リズムの乱れ
4位:ネット、ゲーム、動画視聴、SNSなどの影響
5位:いじめなど、友達のこと
6位:行こうとすると腹痛など、身体の不調
7位:いじめ、嫌がらせ以外の、友達のこと
※筆者によるグラフ化。転載をお控え頂きありがとうございます。
2朝起きられないなど、生活リズムの乱れ
3いじめ、嫌がらせ以外の、友達のこと
4行こうとすると腹痛など、身体の不調
5体罰など、先生のこと
6ネット、ゲーム、動画視聴、SNSなどの影響
※いじめなど、友達のこと
※筆者によるグラフ化。転載をお控え頂きありがとうございます。
保護者から見た、子どもの欠席時の様子
不登校の児童生徒さん達は
学校に行かないとき
どのように過ごしていたのか?
保護者の皆さんから見た
不登校の児童生徒さんたちの様子
も調査されています。
こちらも複数回答で、
よくあった・時々あったの合計が
50%以上の項目を
多い順に並べました。
3位までは、小学生・中学生とも
同じ項目で、順位も全く同じ。
違うのは
中学生で50%以上の項目が
2つ増え5つに
なっている点です。
2位:原因がはっきりしない腹痛、頭痛、発熱などがあった
3位:極度に落ち込んだり悩んだりしていた
※筆者によるグラフ化。転載をお控え頂きありがとうございます。
2位:原因がはっきりしない腹痛、頭痛、発熱などがあった
3位:極度に落ち込んだり悩んだりしていた
4位:家から出なかったり他人との関わりを避けたりしていた
5位:昼夜逆転など生活リズムが大きく乱れていた
※筆者によるグラフ化。転載をお控え頂きありがとうございます。
小学生、中学生ともに1位だったのが
「ネットやゲームを一日中していた」の項目。
大変高い割合ですが、
保護者の皆様が最も心配される項目は
「インターネットやSNSで知り合った人との交流」
ではないでしょうか。
この点も調査されていますが
よくあった・時々あったの合計は
小学生:19.9%
中学生:30.6%。
結果を鵜呑みにはできませんが、
小学生・中学生の
上位に届かない結果でした。
支援機関の利用状況
不登校の児童生徒さん達の
支援機関の利用状況は
どうでしょうか?
こちらは
小学生・中学生ともに4項目のみ。
利用の多い順にならべました。
1位:教育支援センター(適応指導教室)等の公的支援機関 40.1%
2位:障害がある又は障害がある可能性から、相談機関・医療機関 34.1%
3位:オンラインを活用した自宅学習 17.9%
4位:フリースクール等の民間施設 11.9%
※筆者によるグラフ化。転載をお控え頂きありがとうございます。
1位:教育支援センター(適応指導教室)等の公的支援機関 36.4%
2位:障害がある又は障害がある可能性から、相談機関・医療機関 25.3%
3位:オンラインを活用した自宅学習 12.4%
4位:フリースクール等の民間施設 11.0%
※筆者によるグラフ化。転載をお控え頂きありがとうございます。
どのようなことがあれば休まなかったと思うか
どんなことがあったら
不登校にならなかったと思うか……
回答がとても気になる問いの一つ。
複数回答で
“その他”を含め12の項目のうち
一番多かったのは
“ 特になし ”でした。
1)30日以下欠席の児童 52.6%
2)31~180日欠席の児童 55.5%
3)181日以上欠席の児童 60.6%
※筆者によるグラフ化。転載をお控え頂きありがとうございます。
1)30日以下欠席の生徒 53.0%
2)31~180日欠席の生徒 56.0%
3)181日以上欠席の生徒 62.2%
※筆者によるグラフ化。転載をお控え頂きありがとうございます。
出典/文部科学省「不登校児童生徒の実態調査に関する調査報告書」(2021年10月発表)
不登校の現状|子ども達が望む学習環境
初めの“不登校の現状、基本を確認”
のところでも取り上げた日本財団の調査
「不登校傾向にある子どもの実態調査」
では、不登校の中学生のみですが
どんな環境なら勉強したいと思えるか、
の質問もされています。
やる気でるかも!
どのような環境だったら学びたいと思うか
こちらも複数回答の問い、
20%以上の生徒さんが選んだのは
1位:自分の好きなこと、追求したいこと、知りたいことを突き詰めることができる 58.1%
2位:自分の学習ペースにあった手助けがある 44.6%
3位:常に新しいことが学べる 35.1%
4位:クラスや時間割に縛られず、自分でカリキュラムを組むことができる 24.3%
※筆者によるグラフ化。転載をお控え頂きありがとうございます。
出典/日本財団「不登校傾向にある子どもの実態調査」(2018年)
グラフの4つの項目でした。
不登校の現状|まとめ
不登校・不登校ぎみの
小学生・中学生の皆さんと
心配されている
保護者の皆様に
まずは不登校の現状を
把握して頂きたい、との思いから
文科省と日本財団の調査結果をもとに
データをグラフ化、
ランキング形式で確認してきました。
この記事の内容は、
●不登校の現状、“基本”をデータをもとに確認
・不登校は10年前の1.65倍、
・中学生の7.5人に1人が学校に対し、困難さを抱えている
●不登校の現状、詳しく確認
・学校に行きにくくなったきっかけと理由
・不登校、学校に行かないときの様子
・不登校時に利用した支援機関
・なにがあれば、不登校にならなかった?
・どんな環境で学びたい?
でした。
たった2つの調査ですので、
結果をそのまま
鵜呑みにはできませんし、
まとめる必要もないのですが
データから見えてくるのは、
不登校・不登校傾向の
児童生徒さんたちにとって学校は
“かなり居心地のわるいところ”
であるということ。
筆者が気になった点を挙げますと
●きっかけがあれば、だれもが不登校になりうること
●不登校で学校に行かない時も、困難さを抱えて過ごしていること
●民間のフリースクールも含め、支援機関が十分に利用されていないこと
●不登校でも、希望の環境があれば学びたいと考えていること
の5つになります。
筆者が新潟市中央区で運営している
フリースクールNOBINOBIでは、
不登校・不登校ぎみの児童生徒さんに
安心して過ごせる居場所を用意する
だけでなく、
●ひとりひとりの学習ペースに合わせたサポート
●積極的に導入している新しいコンテンツ
●学年や時間割に縛られない専用カリキュラム
で、子ども達の“学び”をサポート
したいと考え、実践しているのも
こういった子ども達とご家庭の悩みを
少しでも軽くしてあげられないものか、
という想いからなのです。
ありがとうございました。
少しでもお役に立てれば
幸いです。