【のびる】子どもの“思考力”“考える力”を鍛える5つのアプローチ

B!

2021年度からセンター試験にかわり

新たに導入された

大学入学共通テスト”

この新テストから受験者の

思考力・判断力・表現力”が評価

されることになりました。

判断力・表現力はイメージしやすいですが

“思考力”は何を評価されるのか?

今一つイメージしにくいと思うのです。

“思考力”は言いかえると“考える力”

子ども達に

ぜひとも獲得してもらいたい“力”として

個別指導塾スクールNOBINOBIが開校以来、

理念の“柱”としてきました。

大学入試改革を受け、

小学校、中学校、高校で

“思考力”“考える力”を伸ばす授業が

はじめられています。

そこでこちらの記事では、

小学生とそのご家庭に向けて

“思考力”“考える力”を引き出す

具体的な5つのアプローチについて、

理科の生物分野

“生き物の飼育”を例にご説明。

※カタツムリ出演中です!

記事の内容は、

●“思考力”=“考える力”を鍛えるには、5つのステップでアプローチ
●“考える力”を鍛えた方が良い本当の理由
●“思考力”=“考える力”を鍛える5ステップ、具体例で解説
●まとめ
●豆知識:カタツムリについて調べたこと、わかったこと

 

記事を書かせて頂いたのは、
●小中学生対象完全個別指導塾の校長(経営者兼専任講師)
●開校5年半で、新潟県内トップ私立高校合格者を輩出。
●年評定平均:中学時代3点台→高校進学後4.9、4.8、4.4の塾生を輩出。
●サポートした不登校の卒塾生、大学へ進学(在学中)。
オリジナル直筆記事が、グーグル2ワード検索で1位(2022.5.2現在)
●当ブログ、にほんブログ村カテゴリー「中学受験(個人塾)」
 で、2020年6月から22ヶ月ランキング1位。
 2020年3月、開設15ヵ月目で月間4万PV超。
●元公立高校教員
●現役カウンセラー

の“のび校長”ことのびのび。

前職が環境省アクティブレンジャーの

生き物大好きおじさん“のびのび”が、

調べたことや気づいたことと併せて

お話ししていきます。

本文は短めですので、
ご安心ください。

“思考力=考える力”を鍛えるには?

“考える力”とは、“失敗学”で有名な

東京大学名誉教授

畑村洋太郎先生によりますと

「まわりの状況を自分なりに分析。進む方向を自分の頭で考え、自分で決めて、実行する力」

とのこと。

考える力をつける本 (講談社+α新書)

NOBINOBIで大切にしている

“自分で”=“自律”

がポイントです。

筆者が教室で取り組んでいる

“自律して考える力”を鍛える

アプローチは

①考える“きっかけ(材料)”を用意。
②興味をもって観察してもらう。
③情報を集めてもらう。
④集めた情報を分析してもらう。
⑤自分の意見をまとめてもらう。

の、5つのステップ

この5つのステップを

意識してもらうことで

“考える力”を鍛え、

引き出すことができるのです。

“思考力=考える力”を鍛えた方が良い本当の理由

大学入試が変わったから、

“思考力”を鍛えるのでしょうか?

筆者が受けた学校教育は

“知識”や“技能”の修得を

重視してきました。

 

あれから30余年、
光陰矢の如し……

変動が激しく、

不確実で複雑、

あいまいで先の読みにくい

現代社会。

知識を詰め込むだけでは、

対処できないことのほうが

多くなってきているように

感じられます。

知識の量なら、

人工知能は人間をはるかにしのぐ時代。

そんな現代社会を

生きていく若い世代の皆さんには

正解のない多くの問題に、

自分自身が良いと考える答えを

導きだす力”が求められている。

この考えから、

この5つのステップで

塾生の皆さんの

“考える力”を鍛えて引き出すアプローチ

積極的に取り組んでいるのです。

“思考力=考える力”を鍛える具体例

ふだん当たり前と思っていたことで、

あれっ?

と思ったこと、

子ども時代だけでなく

大人になってもあると思うのです。

そんな疑問がきっかけで、

新しい発見、発明に

つながることも……

「彼の自由研究はすでに科学論文」“カブトムシは夜行性”の常識覆した小6男子、共同研究の大学講師も脱帽
まいどなニュース 2021.4.26

世界はまだまだわからないこと、

不思議なことであふれている。

新たな驚き、

自分だけの発見を

手に入れることもできるはず。

とはいえ、ただ

考えてみよう!

では、子ども達は

何から取りかかったらいいか

わかりません。

その時に役立つのが

“5つのステップ”。

きっかけや考えてもらうための材料は

何でもいいのです。

 

小学生の皆さん向けに

理科(生活科)の生物分野で

①から⑤の順で解説

個別指導塾スクールNOBINOBIに

やってきた生きもの

“カタツムリ”の観察と飼育を例に

説明していきます。

①考える“きっかけ(材料)”を用意

6月中ごろのある晴れた日、

民家の塀にはりついていた

小ぶりなカタツムリを3匹発見!

 

久しぶりに見たな~

子どもの頃を思い出し、

なつかしさがこみあげてきました。

生きているかわかりませんでしたが、

塀からペリペリとはがして

教室に持ち帰ることに。

カットスイカの入っていた

プラスチック容器に

ティッシュを濡らして入れ

その上に

カタツムリを置いてみました。

一時間ほどたったころ

容器を覗いてみると、

殻から出て動いている……

みんな生きていました。

※2022年5月、皆さん虹の橋を渡りました。

カタツムリは、学習指導要領の

小学校1年生、2年生

「生活科解説」57ページに

出てくる身近な生き物。

こうした身近な生きものたちの

動きや行動、

予測できる人は少ないと思います。

また、身近すぎて

現代の科学技術でも

よくわかっていないことも

あります。

生き物たちは小さくても

“考える力”を鍛えるとても良い“きっかけ(材料)”に

なってくれるのです。

②興味をもって観察してもらう

都市化や環境の変化で

身近な生きものが

減ってきていることもあってか、

生きもの自体苦手なお子さんもいます。

無理強いは問題ですが、

あまり興味がないお子さんでも

カバーできるような

アプローチは大切。

初めに、

子ども達が知っていることを

投げかけてみる。

例えば、

「カラのないのも、カタツムリ?」

「カタツムリのつの(触角)は何本?」

知っていることであれば、

興味をもってもらいやすくなります。

間近で観察してもらう、

虫眼鏡を用意する……

ほんの少し工夫することで、

芽生えた興味を

さらに高めていくこともできます。

子ども達の心を動かすことができれば、

観察にも自分から進んで取り組んでくれる

ものです。

③情報を調べる、集める

興味をもってもらえたら、

しめたもの。

観察してわかったことに、

いろいろな情報をプラスしてもらう

次のステップへ。

大人が知っていて、

子ども達が知らなそうなことを

伝えてもいいですし、

本やネットを使っても大丈夫。

昨今ではフェイクニュースが

大きな問題になっていますので

情報の出どころには注意が必要ですが、

自分で調べられるなら

用意したツールで

どんどん取り組んでもらい、

難しい場合は

大人が手助けをしてあげてもいい

と思います。

こうして調べて集めた情報が、

次のステップのベースになるのです。

④情報を分析してもらう

観察結果と情報をあわせて

集めただけでは

ふーん……

で終わってしまいます。

この四番目のステップからが、

“考える力”を鍛えて伸ばすポイント

集めた情報を、

自分なりに分析してもらうのです。

分析というと

難しく聞こえるかもしれませんが、

観察結果と集めた情報を書きだしてながめるだけ。

●書きだした情報を分類してみる。
●情報同士を合わせて考えてみる。
●情報をくらべてみる。
●違う角度から情報をてみる。
●全く違う情報と結びつけてみる。

見える化することで

分析も楽にできる

ようになるのです。

ひとりひとり、

自分なりの目線で、

書きだした観察結果と情報を

見直してみればよいのです。

⑤自分の意見をまとめてもらう

分析が終わったら次のステップ、

自分の意見をまとめてもらう段階へ。

この時も

ポイントは“自分なり”の意見。

大人たちが正解や間違いに

こだわりすぎると

自分なりの意見を

出しにくくなってしまいます。

誰かのまねでなく

自分なりにまとめられているなら、

どんな意見も

否定しない、馬鹿にしない、

これがアプローチする側には

求められます。

なぜなら、現実世界では

自分なりの意見を

まとめたら終わりではなく、

“自分の意見をもとに、行動する”

が、本来の最終ステップ

になるから。

自分事として

行動に責任を持たなくてはならなくなる

のですから、

行動のもととなる“考え”も

自分なりの意見を

しっかりもってもらう必要が

あるのです。

まとめ

こちらの記事では、

大学入試改革で

評価されることになった

“思考力=考える力”とは何か

どうしたら思考力を鍛えられるか

実践例をもとにお話ししました。

内容をもう一度おさらいすると

●“思考力”=“考える力”を鍛えるには、5つのステップでアプローチ
●“思考力”=“考える力”を鍛えた方が良い本当の理由
●“思考力”=“考える力”を鍛える5ステップ、具体例で解説

の3点になります。

“考える力”は、“失敗学”で有名な

東京大学名誉教授畑村洋太郎先生によりますと

“まわりの状況を自分なりに分析。進む方向を自分の頭で考え、自分で決めて、実行する力”

考える力をつける本 (講談社+α新書)

NOBINOBIも大切にしている

“自分で”=“自律”

がポイント

大人顔負けの研究をやってのけた

小6のお子さんも

あれっ?

と気づいたこと、

常識を疑ってみるところから

“彼なり”の研究がスタートし大きな成果に

つながりました。

日常のなかにあるきっかけを

上手く活用することで、

変動が激しく、

不確実で複雑、

あいまいで先の読みにくい

現代社会を

軽やかに乗り越えていける力を

これからを生きる

若い世代皆さんに

身につけて頂きたい

 

“思考力=考える力”を

自然と身に着けられる人、

もともと持っている人は、

めったにいない

と思います。

教養というツールがあればこそ、答えのない、困難な状況への対応も可能になる。

 

ご紹介した5つのステップが、

お子様の思考力を高めるきっかけ

なれば幸いです。

 

豆知識では、

個別指導塾スクールNOBINOBIの教室で

飼育しはじめたカタツムリについて

調べたこと、観察して気づいたことをまとめ

ました。

※2022年5月、皆さん虹の橋を渡りました。

 

カタツムリのすべてを

網羅してはいませんが、

身近な生きもので

“思考力”を鍛えるときの

“考えるヒント”にしていただければ

嬉しい限りです。

少しでもお役にたてましたら幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。

 

小学生の勉強に役立つ情報は、こちらのカテゴリーをご参照ください。
当スクールの特徴は、こちらをご参照ください。
お問い合わせは、こちらからお進みください。

 

豆知識:カタツムリについて調べたこと、わかったこと

個別指導塾スクールNOBINOBIのアジサイを移動中のウスカワマイマイさん

カタツムリについて調べたこと

ネット上の生き物の先生方(専門家)に教えてもらったことを、箇条書きにしてみました。

●カタツムリは漢字で書くと、蝸牛(かぎゅう)。デンデンムシ、マイマイ、デデムシとも呼ばれたりする。

●もとは海にいた巻貝が、陸にあがって陸貝に。カタツムリも陸貝の仲間です。

●日本には700種~800種のカタツムリがいる。アサガオのタネみたいに小さいカタツムリもたくさんいる。

●寄生虫(広東住血線虫)を持っていることがあるので、さわったら必ず石鹸で手を良く洗う。

ナメクジやマイマイ、カエル等に触れた場合は、よく手を洗うこと。

●アジサイは食べないけど、いろいろな天敵から身を隠すのにつかうこともある。

●食べ物は、家で飼うときはキャベツやニンジンをあげる。

●殻をつくるために、コンクリートを食べてカルシウムを取り込んでいる。

●子どもの頃良く見かけたカタツムリは、大きいミスジマイマイ。

●筆者が環境省アクティブレンジャーのとき、ヒダリマキマイマイを発見。

●今回みつけたのは、都市部にもいる中くらいのカタツムリ“ウスカワマイマイ”。大きいカタツムリの子どもではない。

●ウスカワマイマイは、日本産のカタツムリだけど、外国から日本にもちこまれたカタツムリもいる。

●世界には、殻が20㎝以上になるカタツムリ(アフリカマイマイ、“鉄腕ダッシュ”にも登場)、身体が赤いカタツムリ、殻に毛が生えたようなカタツムリ、緑と黄色の殻のカタツムリなど珍しいカタツムリもいる。

●カタツムリの見分け方は、殻の大きさや形、模様、裏返した真ん中のへそ穴(臍孔)で見分ける。

●冬、殻に蓋をしてじっと動かなくなる冬眠をするけど、夏には夏眠もする。

●殻に引っ込んで休むときは、うすい幕をつくって身体を乾燥しないようにする。

●カタツムリは、オスメスがない雌雄同体の生き物。

その気になればいくらでも情報が手に入る、なんともありがたい時代になりました。

教室のカタツムリ観察で気づいたこと

調べたことを並べるだけでは、思考力を鍛えるには不十分。

そこで、教室のカタツムリを観察していて、

発見したこと、気づいたこと、思い出したこともお話しします。

食べ物は?

キャベツを食べている様子を観察していると、かすかに音が聞こえました。

これは、カタツムリが口(歯舌)をつかって食べる時に出る音。

ニンジンは、ほとんど食べつくされてこんな感じに。

個別指導塾スクールNOBINOBIのウスカワマイマイさんが食べたニンジンの残り

キャベツやニンジンを食べる?

ということは、農家の方が作る野菜をたべてしまうこともあるということ。

それどころか、

写真の、湿らせて入れたティッシュペーパーもかじっていたので、あわてて取り出しました。

余談ですが筆者には、ニンジンのなかに

野原に立つ一本の木、空にたなびく雲がみえるのです。

よく動く時間帯は?

日中はあまり動かないで、キャベツの下でじっとしていることが多い。

そう、カタツムリは夜よく活動するのです。

足はどうなってる?

プラスチックのケースにはりついて動いているときは、裏側(足の部分)が丸見え。

何本もの横しま(腹足)を、まるで海の波のように動かして移動しているのがよくわかります。

どんなふうに動く?

目をながーく出してみたり、ちょっとだけ出してみたり、団子みたいに丸まってみたり。

ずっと観察していても飽きない、どこかユーモラスで愛らしく感じられるカタツムリ。

童謡“かたつむり”が、時代をこえて歌いつがれるのもうなづけます。

息してるの、わかる?

しばらくすると、プラスチックのケースが曇ってきました。

これは、カタツムリが息をしている証拠。

陸上に住んでいるので、カタツムリはエラでなく肺で酸素をとりこみます。

このままでは酸素不足になってしまう……

ケースのフタにようじの太さくらいの穴を開けると、曇らなくなりました。

カタツムリは水が好き?

カタツムリはジメジメしめったところが好き。

水に落ちても大丈夫?

泳げない人のように溺れてしまう……

カタツムリも溺れちゃうの?

呼吸口というところで息をしているからです。

子どもの頃見つけたミスジマイマイ。

「2~3㎜の大きさでポッカリ開いたこの穴はなんだろう?」

と不思議に思ったものです。

教室にいるウスカワマイマイの呼吸口は、

裏から見て、殻近くの体の左がわに1㎜ほどの大きさで開いている穴。

良く見ればみつけられると思います。

どのくらい生きられる?

個別指導塾スクールNOBINOBIでお食事中。ウスカワマイマイの皆さん

3年以上生きるものもいれば、

ウスカワマイマイのように

1年ほどしか生きられないものも

いるそうです。

※2022年5月、皆さん虹の橋を渡りました。

カタツムリ、何か役に立つことってある?

カタツムリを研究してできたものもあります。

カタツムリの殻をヒントにした防汚外壁タイル

カタツムリの殻はどうしていつもキレイなんだろう?

と疑問に思ったところから、カタツムリの殻のつくりに着目。

壁に着いた汚れを雨で落とすことができる

防汚外壁タイルが完成したのです。

バイオミミクリーって何?

人間の問題を解決するために、

生き物を良く観察して、

自然の模型やつくりをまねることを

バイオミミクリー(生物模倣)といいます。

この考え方で生まれたのが、

先ほどの防汚外壁タイルなのです。

 

興味をもってみてみる、

調べてみる、

考えてみる、

自分なりの意見や考え、アイデアを

出してみる……

 

どうして海から陸にあがったの?

アジサイはなんで食べないの?

なんでネバネバした液をだすの?

カタツムリを食べる生き物は?

陸の貝なら、人間も食べられる?……

 

思考力を鍛えて高めることができれば、

貴方自身の未来を切り拓く力になるだけでなく、

人類の未来を切り拓く力にも

つながっていくのではないでしょうか。

 

ウスカワマイマイの分類は、ウィキペディアによると

界 : 動物界 Animalia

門 : 軟体動物門 Mollusca

綱 : 腹足綱 Gastropoda

目 : 有肺目 Pulmonata

亜目 : 真有肺亜目 Eupulmonata

下目 : 柄眼下目 Stylommatophora

上科 : マイマイ上科 Helicoidea

科 : オナジマイマイ科 Bradybaenidae

属 : ウスカワマイマイ属 Acusta

種 : ウスカワマイマイ A. sieboldtiana

学名:Acusta sieboldtiana

英名:Siebold's globular snail

とのこと。

この表を見るだけで、

どんな生きものか

だいたい想像できるような気が

しませんか?

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