【再確認】学習指導要領の評価は3観点で通知表成績。中学学期の5段階の成績、出し方は?

B!

こちらの記事では、

個別指導塾を
新潟市で運営しているNOBINOBIが
現行の学習指導要領の評価は
3観点で通知表の成績になる点を確認した上で、
中学の学期の5段階評定(成績)
出し方を旧指導要領の
4観点での出し方で説明
しています。
オリジナルの表とグラフもご用意して
わかりやすい解説に努めました。
評定に大きく影響するのは“授業”?それとも……

記事の内容は、

● 2021(令和3)年度から完全実施された中学校学習指導要領、評価の基準“観点”の数が4つから3つになったことを再確認

● 旧学習指導要領の4観点で、新潟市内中学校の理科のある学期の成績の出し方を解説

● “観点別評価から評定を導き出す方法”を解説。

● 評価対象「定期テスト」、「授業」、「レポート」、「ノート・ワーク」、「単元テスト」の重要度。

※本記事後半の内容は、平成29年度前期中間前まで新潟市内のある中学校で使われていた資料を基にしています。
 現在は評価方法の一部が変更されていますので、ご注意ください。
こちらの記事は“のび校長”

●小中学生対象完全個別指導塾の校長(経営者兼専任講師)

●開校5年半で、新潟県内トップ私立高校合格者を輩出。

●年評定平均:中学時代3点台→高校進学後4.9、4.8、4.4の塾生を輩出。

●サポートした不登校の卒塾生、大学へ進学(在学中)。

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●現役カウンセラー

こと“のびのび”が書かせて頂きました。
「各教科の学期ごとの成績」って、
どうやって決めてるのかしら?
と、疑問に思われる保護者の皆様も
いらっしゃると思います。
こちらの記事では知人からお借りした、
新潟市内中学校の平成29年度学校資料と
東京都教育委員会、
国立教育政策研究所の公開資料をもとに、
でご紹介した図の中の、
ある学期の、
ある教科の成績が出るまで
をまとめました。

 

はじめに「観点別評価の出し方」の変更点
次に4観点での
「観点別評価から評定(5段階成績)を導き出す方法」
の順に
確認していきましょう!

 

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中学校の成績、学期の評価を決めるには、
一定の基準が必要です。
この基準が「観点」です。
2021(令和3)年度から完全実施の
新学習指導要領では、

これまでの

4つの観点

● 知識・理解

● 技能

● 思考・判断・表現

● 関心・意欲・態度

のうち、

「知識・理解」と「技能」をあわせ、

関心・意欲・態度を変えて、

つぎの3つの観点

● 知識・技能

● 思考・判断・表現

● 主体的に学習に取り組む態度

に変わりました。
はじめに、
これまでの評価基準4観点にそって
教科の学期ごとの評価の仕方と
評定の出し方について
みていきます。

中学校の学期の教科成績、4観点別評価の出し方は?

新潟市内の中学校が、
現行の学習指導要領にもとづいて
生徒さん向けに配布した
平成29年度用資料で、
一番わかりやすかったのが
“理科”の学期の成績の出し方
でした。

 

そこでこれに、
東京都教育委員会、
国立教育政策研究所の公開資料の情報を加えて、
“観点別評価の方法”について
学習指導要領にもとづいてまとめました。

 

新潟市内のこの中学校の理科の観点は、

①事象への関心・意欲・態度

②科学的思考

③観察・実験の技能・表現

④知識・理解

下の表の左側①~④の4種類
になっています。

 

【 表1 】「観点別評価の方法」(理科)

※転載をお控え頂き、ありがとうございます。

 

表中※ 表中に付けた※印観点は、
国立教育政策研究所、
東京都教育委員会の資料では、
観点②が「科学的な思考・表現」、
観点③が「観察・実験の技能・表現)」
となっていますので、
この箇所はこの中学校(理科)独自の観点か、
または誤植の可能性があります。
図をもとに、
順番に説明していきます。

 

観点を評価するときの材料となるのが
評価対象(評価のもと)です。

 

観点①事象への関心・意欲・態度の場合、
ノート」、「ワーク」、「授業(態度)」の
3つの材料(評価対象)で評価 されます。

 

評価対象」には、それぞれ
評価のめやす」=「評価のランク」
があります。

 

この「めやす」
「評価対象」ごとの
持ち点である「素点」の
範囲内で点数にしていきます。

 

たとえば、
観点①事象への関心・意欲・態度
評価対象の1つである
ノートの「評価のめやす」は

① 自分なりの工夫があり、資料が整理してある。

② 板書がしっかり写してある。

③ 板書をある程度写してある。一部記入していない。

④ 板書を半分程度写してある。

⑤ 板書をほとんど写していない。

⑥ 全く記入していない、または、未出。

の6つにランクわけ

されています。

 

「評価対象」ごとに
 A°(Aまる)からDまでの「評価」を導き出し、
素点として点数
していきます。
さきほどの
ノートの「評価のめやす」では

① 自分なりの工夫があり、資料が整理してある。

評価:A゜(Aまる)= 素点:10点

② 板書がしっかり写してある。

評価:A = 素点:8点

③ 板書をある程度写してある。一部記入していない。

評価:B゜(Bまる)= 素点: 6点

④ 板書を半分程度写してある。

評価:B = 素点:4点

⑤ 板書をほとんど写していない。

評価:C = 素点:1点

⑥ 全く記入していない、または、未提出。

評価:D = 素点:0点

のように評価

され、点数にされます。

 

①~④各観点の
評価対象の「素点」の合計は
満点で40点
たとえば
観点①「事象への関心・意欲・態度」は、
ノート10点満点、
ワーク10点満点、
授業(態度)20点満点、ですので、
合計40点満点
となります。
【 表1 】理科の観点は、4つ
ありますので、
素点の総合計
40点×4観点=160点 満点
になるわけです。
この学校の理科の評価のもととなる
「素点」は比較的わかりやすかったので、
表中の「評価対象」を
「素点」をもとに

評価対象の「定期テスト」    → あか

評価対象の「授業」       → むらさき

評価対象の「レポート」     → みどり

評価対象の「ノート」、「ワーク」→ くろ

評価対象の「単元テスト」    → はいいろ

と色分け

しています。

 

次に、こうして出された

観点別評価から

どのように評定(成績)

を導き出すのか

みていきましょう!

 

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観点別評価から評定を導き出すには?

こちらの表も、表1と同様に評価対象を色分けしてあります。
【 表2 】 「観点別評価から評定を導き出す方法」

※転載をお控え頂き、ありがとうございます。

 

表1では「評価対象」ごとの「素点」を導きだしたので、

今度は学期の成績を出すため「素点」の得点を観点ごとに合計し

A°(Aまる)からCまでの「観点別評価」を導きだすことになります。

 

こうして導き出された

A°(Aまる)からCまでの

「観点別評価」を5点~1点に点数化(換算)

します。

 

たまたまこの中学校の

理科の観点の重み=割合

(表2の中のピンク文字の欄)は、

4つとも同じ、それぞれ25%ずつ

でした。

 

換算した点数を単純に合計し、

5×4=20点を最高点

として最終的に

「この学期の成績」=「この学期の5段階の評定」

を出していくことになります。

 

表を見るときの4つの注意点

これらの
表を見るうえで
ご注意頂きたい点が4つ
あります。

【注意点1】評価の基準「観点」の数が4つから3つへ

冒頭の【記事の内容】で記載した通り、
旧学習指導要領の4つ観点
①事象への関心・意欲・態度
②科学的思考
③観察・実験の技能・表現
④知識・理解 は、
2020(令和2)年度から

3つの観点

①知識及び技能

②思考力・判断力・表現力等

③主体的に学習に取り組む態度

に変わりました

【注意点2】この中学校の理科“限定”の評価評定(成績)のつけ方

文部科学省の教育課程部会

総則・評価特別部会

「総則・評価特別部会資料」

では

「各観点別の評価を評定においてどのように総括するかは、各学校の工夫が求められる。」
(資料11ページ目に記載)と記載されています。
「観点別評価をどう評定にまとめる(変換する)かは、各中学校で工夫してください。」
と説明しているのです。
また、別の公開資料にも明記されている通り、
評価評定は
学校で定めた○○科における学期末の「観点ごとの評価の総括方法」に基づいた吟味・検討』
がなされるので、
これらの表でご説明してきたのは、
あくまでこの中学校の
理科の評価評定に限った
成績のつけ方
ということになります。

注意点3】観点には「重み=比重」がある

観点には「重み=比重」がある
点もご注意ください。
観点①~④の重みの合計を
100%としたとき、
この中学校の理科は、
たまたま、
どの観点も同じ重み(25%ずつ)
でしたが、
同じ学校の国語は、
観点①:10% 、
観点②:10% 、
観点③:20% 、
観点④:40% 、
観点⑤:20%
数学は、
観点①:20%、
観点②:25%、
観点③:30%、
観点④:25%
ですので、
教科によって
観点ごとに重みがちがう
のです。

【注意点4】「単元ごとの観点別評価を積み重ねる」考え方は、省略

別の記事

でご紹介した

「単元ごとの観点別評価を積み重ねる」という考え方

を加えてお話しすると複雑になりすぎて

わかりにくくなってしまうため、

ここでは省略

しています。

 

次に「授業」や「ノート」などの

評価対象が、

それぞれどれくらい

評価に影響を与えるか?

ここまで見てきた「理科」の例を
円グラフにしてみました

 

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オリジナル資料【表1】、【表2】からわかること

前の注意点をふまえた上で、
もう一度この表を見返してみると、
簡略化されてはいるものの、
この学校の理科は
日ごろの学習活動のうち
何を重視して
評価評定をだしているか?
もある程度見えてきます。

 

表で色分けした「評価対象」を
観点の枠を取り払って
「素点」合計の高い順にならべてみると

むらさき「授業」     :54点/160点(33.75%)

あか「定期テスト」    :52点/160点(32.5%)

みどり「レポート」    :30点/160点(18.75%)

くろ「ノート」、「ワーク」:20点/160点(12.5%)

はいいろ「単元テスト」  : 4点/160点(2.5%)

となり、

授業(むらさき)と
定期テスト(あか)で
評価評定全体の
2/3を占める
ことが、
下の単純な円グラフから
おわかり頂けると思います。

中学校、学期毎の評定(成績)出し方 まとめ

こちらの記事では、

個別指導塾を新潟市で

運営している

NOBINOBIが

新潟市内中学校の

生徒さん向け

平成29年度用資料に

東京都教育委員会、

国立教育政策研究所の

公開資料の記載を加えて、

この中学校「理科」の学期の

成績の出し方を

2つの表を用いて

解説しました。

2021(令和3)年度から

完全実施された

学習指導要領は、

これまでの4つの観点

● 知識・理解

● 技能

● 思考・判断・表現

● 関心・意欲・態度

の●知識・理解と●技能をあわせ、

●関心・意欲・態度を変えて、

3つの観点

● 知識・技能

● 思考・判断・表現

● 主体的に学習に取り組む態度

に変わり

ました。

筆者の意見を

付け加えさせて頂くと、

①新学習指導要領で

4つから3つになり、

見方のかわった観点で、

どのように評定が

だされているのか。

②「評価のめやす」から

導き出された素点に

観点の重みを加え、

数字として導き出された

換算合計を、客観的に

5段階評定に変えて

子どもたちを

評価しているのか。

特に、変更が加えられた観点

「主体的に学習に取り組む態度」の評価

は、国立教育政策研究所の

資料によると

こちらのイメージ図の

2つの軸で
評価されている
とのこと。
新しい観点での評価が
教育現場でどのように
出されているのか、
今一つはっきりしない
のです。
ですので、完全実施後の
学習指導要領が
現場でどのように
適用されるのか注視
していく必要があると考えます。
こちらの記事のポイントを
おさらいしますと、

● 2021(令和3)年度から完全実施の新学習指導要領は、これまでの4つの観点から3つの観点に。

● 旧学習指導要領の4観点で、新潟市内の中学校の理科のある学期の成績の出し方を表にまとめて説明。

● 「観点別評価から評定を導き出す方法」をオリジナルの表で解説。

● 評価対象「定期テスト」、「授業」、「レポート」、「ノート・ワーク」、「単元テスト」の重要度を確認。

● 4観点から3観点に変わることの注意点、問題点。

となります。

お借りした資料

読んでみて感じたのは

 

生徒さん(ご家庭)用資料なのに
わかりにくい!

ということ。

最も丁寧で
解りやすかったこの
「理科」でも、
生徒さん達が
資料だけで理解するのは
かなりハードルが高い
と感じます。
公開資料から推測して
追記をさせて
頂きましたので、
あくまで参考資料と
お考えください。
資料を快くお貸し頂いた方に、
この場をお借りして
心から感謝いたします。

日ごろの疑問点の解消に

少しでもお役にたてましたら

幸いです。

 

最後までお読み頂き
ありがとうございました。
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「3段階評価の観点別評価を、通知表の5段階評定に変える方法」についてはこちらです。
「通知表5段階評定決め方、中学成績出し方の基本」についてはこちらです。

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