しーママ
うちの子、
スマホやタブレットばっかりみてるんです。
のび校長イラスト右口
のびさん
最近の動画サイトやゲームって、
面白いですもんね。

国際的なテストで、

日本の高校1年生の読解力が落ちてきている

というニュースを耳にされたという

お母様、お父様もいらしゃると思います。

経済協力開発機構(OECD)※

世界の15歳を対象にして実施している

国際学力テストで読解力は、

2012年実施テスト 4位

2015年実施テスト 8位

2018年実施テスト 15位

と、回を重ねるごとに

順位が下降しています。

未就学時代に、

多くの言葉に触れることが、

小学校に上がってからの

基礎的な読解力に大きな影響を与える

ということが、

近年の研究でわかってきているとのこと。

新潟市で個別指導塾を立ち上げたのも、

塾生さん達の学ぶ力を伸ばすためには

「読解力アップ」が不可欠との考えから。

この6年一貫して読解力を鍛える取り組みを

続けています。

日々の取り組みだけでなく、

無料イベントや学校ボランティアでの

「読み聞かせ」を通して得た、

お子さんたちの読書への興味を引き出す工夫

についてお伝えしていきたいと思います。

のび校長イラスト右口
のびさん
最後までお付き合い頂ければ、
幸いです。
※OECD加盟国:オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チリ、コロンビア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、韓国、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、イギリス、アメリカ 37ヶ国
[outline]

お子さんの思考力、想像力を引き出す「読み聞かせ」

学校ボランティア「読み聞かせ」中ののびのびさん

小学校の朝活動「読み聞かせ」ボランティア

未就学のお子さんから小中学生まで、

ご家庭、公教育現場、民間企業でも取り組まれ、

教育効果の高い取り組みの一つ

「読み聞かせ」

「小さな個別指導塾でも、

子どもたちのためにできることはあるはず」と、

スタッフとともに筆者も、

幼稚園、保育園、こども園、学童保育、小学校、

そして、中学校

はてはスーパーのイートインコーナーでも

「読み聞かせ」ボランティアに、

積極的に取り組んできました。

「子どもたちに、本を読む楽しさを伝えたい」
「子どもたちに言葉にふれる機会を、少しでも多く持ってもらいたい。」
「基礎学力のアップに、少しでも役にたてば…」

との想いから、続けています。

ただ漠然と取り組むだけでなく、

いろんな方の読み聞かせを

拝見させて頂いたり、

実践者やプロの動画をみたり、

本で調べたりして、

「どうしたら、子どもたちのこころに響き、子どもたちの考える力、想像力を引き出せる読み聞かせができるだろう?」

と考え、

工夫を重ねながら取り組んでいます。

プロの朗読家のような、完璧な

「読み聞かせ」ではありませんが、

工夫を加えることで

短い時間でも

本の世界に入り込んでもらえるよう

努めています。

しーママ
読み聞かせって、
そんなに工夫の余地って
あるものなんですか?
 
のびさん
だいたい皆同じと思われがちですよね。
そんなところも含めて
お話していきたいと思います。

「読み聞かせ」の基本的な流れ

まずは、感謝を込めて、

担任の先生にご挨拶。

教室に入ったら、

生徒のみなさんにご挨拶。

そして自己紹介。

次に、持参した絵本から

生徒のみなさんに1冊選んでもらい、

本のタイトル、作者と

画家のお名前を読み上げて、

読み聞かせスタート。

最後に、聴いてくれたこと、

先生と生徒さんたちに

出会えたことへの感謝と想いを伝えて、

挨拶をして、教室をあとにします。

学校から報告を求められることもあります。

しーママ
え?これのどこに
工夫があるんですか?
のび校長イラスト右口
のびさん
流れとしては、
いたって普通ですよね…

工夫しているのは、

「読み聞かせの導入からまとめ」まで

なのです。

子どもたちをひきつけるための「読み聞かせ」の工夫とは?

読み聞かせの工夫の様子

読み聞かせ前の準備

仕事柄、本は大量にありますし、

絵本も塾生さん達に読んでもらうため、

たくさん用意しています。用具として

持っている本の中から選んだ3冊の絵本
(以前は10冊もっていっていたことも…)
コピー用紙にマジックではっきりタイトルを書いた短冊
百均で買ったマグネット

を、これまた百均で購入した

トートバッグに入れて、持参

できるようにします。

実際の「読み聞かせ」の工夫 子どもたちに選んでもらう

自己紹介を終えたら、

タイトルを書いた短冊を

マグネットで教室の黒板にはり出し

ます。

生徒さん達に、

「この中から、聴いてみたいな!と思う本をえらんで欲しいんです。」

「次に、全員、目をつぶってね。薄目で友達を見ないでしっかりつぶろう。」

「目をつぶったままで、聴きたいと思う本のタイトルが読み上げられたら、手を挙げてね。」

と、

持参した本の人気投票

をするのです。

実は、ほとんどの

読み聞かせボランティアさんは、

1冊決め打ちで読み聞かせ

をしているのではないでしょうか。

聴かされる生徒さん達にとって、

興味がある内容なら楽しめるでしょうが、

そうでなかった場合は、

つまらない時間になってしまいます。

少しでも、子どもたちの心を

読み聞かせに向けたいとの想いから、

生徒さんたちに選んでもらうスタイル

にしています。

こちらのチョイスの中から

という制約はありますが、

選べるのと選べないのでは、

興味の度合いに大きな開きがあると考えるからです。

 

目をつぶって挙手してもらうのにも、理由

あります。

その集団の友達関係が

うまくいっているか

いっていないかわからない状態で

読み聞かせをするわけです

周りを気にしない状態をつくってあげてから

挙手してもらうことで、

完璧とはいかないまでも

ひとりひとりの本音を

引き出しやすい状態にしてあげたい

との想いからなのです。

実際の「読み聞かせ」の工夫 一番人気のない本を読む

さて、

一番人気から三番人気まで決まったら、

人気投票の結果を発表します。

3冊とも票が入っている場合は、

一番人気のない本をチョイス

します。

しーママ
え?
一番人気の本じゃないんですか?
 
のびさん
ですよね、
学校も含め世の中普通は
多い方を選びますよね。

もちろん、

これにも、ちゃんとした理由が

あります。

世界では少数派が虐げられてしま

う事例や事件が山のようにあって、

日々暗いニュースが

子どもたちの目にも耳にも、

いやおうなく入ってくる時代。

せめて、

朝活動の時くらい、

少数派の意見に耳をかたむける時間があっても

いいのではないか

自分が少数派になっても、

意見が通る場合があるんだ、

と思えれば、

ちょっと人と違う意見であっても、

表明していいんだ、

少数意見でも全否定されないんだ、

という安心感を与えてあげられる

のではないだろうか、

普段の生活で体験できないことほど、

子どもたちの心に強く残る

のではないか…

そんな想いから、

一番得票の少ない本を選ぶ

ようにしています。

 

年に何回もある読み聞かせの時間。

その中のたった1回、

真逆のことをする人がいても

いいのではないかと…

 

選んだ絵本に

「それ、まえも聞いたよ!」

という声が多いときは、

「しらな~い」

という声が多い絵本を選び直したりもします。

学年、クラス、雰囲気など、

その時々の子どもたちの様子や

反応を観察して、柔軟に対応

することも心がけています。

実際の「読み聞かせ」の工夫 先に絵本を見せない

さて、ここまできたら、

ようやく

選ばれた本をトートバッグから出して

お披露目です。

ここで初めて、選ばれた本が

どんな本かわかるのです。

しーママ
最初から絵本を見せながらの方が、
子どもたちも選びやすいんじゃないですか?
 
のびさん
そうですね、
確かにそのほうが迷わず選べる
とは思います。

教科の授業ではないけれど、

読み聞かせも大きな意味で「学びの場」の一つ

だと考えています。

早く正解にたどりつければ、

学びが深まるかというと、

そうでもないのが難しいところ。

タイトルだけだから、

どんな絵かわからない。

タイトルからどんな本かを想像して、

迷いながら選んでみる。

せっかく選んでも、

多数決だから選ばれない

かもしれない…

いろんな考えを巡らせることで、

自分の意見をきめていく。

「選ぶ過程」と

「作業」が回りくどいからこそ、

考える力や想像力を

より強く刺激することができる

のではないか、

そんな風に考えてのことなのです。

 

選ばれた本を見たことのない生徒さん達が、

本を初めて目にした時の反応は、

ひとりひとり違っていて、

見せる側としても、

子どもたちがどんな反応をしてくれるか、

毎回とても楽しみです。

実際の「読み聞かせ」の工夫 まとめ方

こうして選ばれた絵本の読み聞かせがおわり、

挨拶をしてすんなり帰るかとおもいきや、

まとめでも興味を引き出そうとします。

そう、人気の高かった読まなかった2冊は、

まだお披露目していませんでした。

片付けの前にバックから取り出し、

3冊全てをみんなに紹介するのです。

タイトル、作者と画家の方をそれぞれ伝えて、

時間があれば、

あらすじ
(読んだことのない生徒さんも多いので、ネタバレにならない程度で)

も紹介。

全員に向けて

「今日はどうだった?」

と投げかけて

生徒さん達から感想を教えてもらったり、

今日の読み聞かせの感想や

読まなかった本への興味を

数人の生徒さんに聞くこともしています。

最後にこちらから、

世の中には面白い本がたくさんあること、
本から学べることはとても多いこと、
今日読めなかった本も、興味があったら是非読んでもらいたいこと、
学校の図書室や図書館にも足を運んでもらいたいこと、

など、

本にまつわるお話と読書のすすめ、

お願いを伝えることで、

まとめとさせてもらっています。

小学生の読書への興味を引き出す読み聞かせの工夫 まとめ

仲良く本を読む姉妹の画像

多くの子どもたちの

考える力=思考力、想像力を

引き出すことができる

「読み聞かせ」。

短い時間でも

聴いてよかったな、と思ってもらえる読み聞かせにしたい!」

との想いから、

工夫と改善を重ねて

今のスタイルにたどりつきました。

これからも、

子どもたちの印象に残る「読み聞かせ」、

自分から本を読んでみたくなる「読み聞かせ」

ができるよう改良を重ねていきたい

と考えています。

 

小さな個別指導塾スタッフたちの

ちょっとした工夫が、

ご家庭での読み聞かせや、

ボランティア活動での読み聞かせの

ヒントやアイデアにつながれば、

幸いです。

 

「読み聞かせ」は

お子さんとの会話を増やす、

温かいコミュニケーションのためのツール。

 

お子様と保護者の皆様が、

楽しみながら一緒に取り組むことで、

子どもたちの

語彙力、読解力は大きく伸ばすことができる

と感じています。

 

のび校長イラスト右口
のびさん
最後までお付き合い頂き、
ありがとうございました。

【関連記事】
「読む力」につきましては、下記の記事をご参照ください。

https://school-nobinobi.com/reading-is-power/

「読む力」を無理なく伸ばすアプローチにつきましては、下記の記事をご参照ください。

「読解力トレーニング」につきましては、下記の記事をご参照ください。

 

スクールの特徴紹介につきましては、下記ページをご参照ください。
お問い合わせにつきましては、下記ページをご参照ください。

 

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