さて、前回に引き続き、中学理科の勉強法の後半「計算」について見ていきます。

正直、筆者は学生時代、理科の「計算」がある単元、分野は苦手でした。

高校に進学してからは、苦手分野がよりハッキリしていきました。

というのも、母校の「理科」は、

物理・化学・生物・地学(数学以外の自然科学の内容をまとめたもの)

に科目がわけられて、全科目勉強させられたからなんです。

ちなみに、4科目のうち苦手だったのは「物理」でした。

 

よく

しーママ
苦手な人は、教え方も下手だから頼めないわ…

という保護者の方、いらっしゃいます。

確かに難関校を目指す生徒さん、

将来理系に進みたい生徒さん

ならその通りだと思います。

ただ、他の教科の足を引っ張らない程度、

例えば定期テストで80点前後を目標にしている生徒さん達には、

むしろ危険な考え方。

学校教員にもありがちなんですが、自分自身は得意という人は、

「なんでこんな簡単なこともわからないんだ?」

と思ってしまいがち。

生徒さん達のつまづきが理解できないから、

生徒さんの立場にたって、

もっと初歩的なところから

丁寧に解説する必要があることがわからない。

生徒さんの悩みが理解できないから、

結局放置してそのまま進んでいってしまうんです。

学生時代、

その教科が苦手だった先生や塾講師の方が、

苦手な生徒さん、わからない生徒さんの

悩みやつまづきが自分の苦い体験とあいまって、

共感できるんです。

のびのびさんの似顔絵左側用
のびさん
そうそう、そこがわかりにくいんだよね~

と。

だからそういう先生は

皆説明が丁寧でわかりやすいかっていうと、

それは論理が飛躍しすぎでしょうが、

少なくとも筆者は

のびのびさんの似顔絵左側用
のびさん
苦手な生徒さんにどうしたら理解してもらえるだろう?

という視点で、

ひとりひとりに合わせてアプローチし、

これでもかって言うくらいかみ砕いて、

時にはさかのぼって説明するよう

普段から心がけています。

今回は、そんな視点から考えた、

中学理科「計算」問題の得点力をアップさせる方法

についてお話ししていきます。

 
のびさん
最後に、重要公式を学年ごとにまとめてご紹介しています。

中学理科「計算」問題の得点力をアップさせる方法は?

中学理科の学習をイメージしたロボットの画像

「計算」の多い分野単元にも、

単元ごとに求められる力を見極めて、

単元にあった学習法を取り入れれば、

定期テストや入試の得点力を引き出せます。

理科の学習法その1の記事

(しらないよ、という方はこちらをご覧ください)

では、まずやることとして

のびのびさんの似顔絵左側用
のびさん
理科の単元を「暗記」と「計算」にわけるんだよ~

とお伝えしましたが、できましたでしょうか?

お気づきの方も多くいらっしゃいますよね。

そう、これは

理科の科目で大雑把に分けることもできます。

中学で勉強する理科を「暗記」と「計算」で

強引に分けると、

「暗記」=生物、地学

「計算」=物理、化学

に科目分けできます。

もちろん、

物理や化学に暗記がないわけではないですし、

地学や生物に計算問題がないわけではないので、

あくまで中学の理科を強引にわけたら、

という一つの目安です。

理科勉強法 その2「計算」

しばおくんの横顔のイラスト
しばおくん
理科で結果を出したい!

と考えている中学生の皆さんに

「計算」の分野単元で取り組んでもらいたい

勉強法のステップ

は、

  1. 教科書、参考書に載っている
    仕組み、法則、ルールをしっかり理解する。
  2. 法則、ルールを暗記する。
  3. 問題を解く。
  4. 解答に載っている解き方をよく読む。
  5. 同じ問題を、解説通りにもう一度解いてみる。

5つです。

自分自身でも、

こうやっていればもっと得点がのびただろうし、

苦手意識も少なくてすんだかもしれない…

なんて思いますし、

この方法で

理科の定期テストの点数を大きく伸ばした生徒さん

(20点以上アップした強者も…)

もいます。

5つのステップ 詳しく説明

それでは、

5つのステップ、それぞれ説明を補足

していきます。

①教科書、参考書に載っている仕組み、法則、ルールをしっかり理解する。

学生時代の筆者に足りなかったのは、

まさにココでした。

例えば「電気」の分野。

電流、電圧の仕組みやルールが中途半端な理解のまま、

計算問題にチャレンジしても解けるわけありません。

まずは、

仕組み、法則、基本ルールを「しっかり理解する」

ことから始めてみてください。

教科書が一番いいとは思いますが、

参考書の各単元の最初によくある

「教科書のまとめ」

コーナーでも構いません。

②法則、ルールを暗記する。

しばおくんの横顔のイラスト
しばおくん
あれ?暗記なの?

算数・数学の記事でも少しお話ししたように、

数学の定理は理解しただけでは使えません。

定理や法則は暗記することで初めて使えるようになる

のです。

理科の「計算」の単元も全く同じです。

しっかり理解できたら、

その単元の問題を解くための

法則、定理、ルールを暗記

してください。

暗記の記事で取り上げたように、

「チェックペン」

を使って覚えるのも一つの方法です。

③問題を解く。

ここまでできたら問題に挑戦してみましょう!

まず意識するのは、

覚えた法則、定理、ルールが使えるようになる

ことですから、めんどくさく感じても

基本問題(A問題)から挑戦

してください。

ここでしっかり解く力がついているのを実感できれば、

標準問題(B問題)でのつまづきを減らせますから、

焦らずチャレンジ

してくださいね。

解く時は、頭で考えて解答だけ書きこむのではなく、

途中の流れや式も書くように

ましょう。

このあとのステップで必ず役に立ちますので。

④答え合わせで解答に載っている解き方をよく読む。

問題を解いたら答え合わせ。

真面目なしばおくんのイラスト
しばおくん
あってた!

パタン!って解答編をしまわないで、

どういう考え方でどんな流れで解いているか

も含めてしっかり確認

してください。

法則、定理、ルールも含めて確認することで、

脳へのインプットもより確実なものにできます

ので。

中には解答だけ載せている解答編もありますので、

そういった問題は避けて

詳しく解法解説してある問題を選んで挑戦

するようにしましょう。

ここも、学生時代の自分にたりなかったポイント、

たりないところばかりでした…

⑤同じ問題を、解説通りにもう一度解いてみる。

できた問題も、できなかった問題も、

同じ問題なら、解答編の通りに解くこと

できますよね。

もう一度同じ問題にチャレンジすることで、

解き方も含めてさらにしっかりインプット

できますし、

1度挑戦しているので

2度目はスラスラ解けるようになっているはず。

正解できれば自信もアップ!

良い状態で

次の標準問題(B問題)にチャレンジできる下準備

にもなります。

復習の場合、

いきなり練習問題チャレンジ

をすすめる講師もいるかもしれません。

それも確かに学習法の一つですが、

中学生になるとただ

単に解法を暗記して問題チャレンジしても、

学習効果は低いとのこと

(わけもわからず単純に暗記することができるのは、

 小学校低学年までという

 研究結果もあるそうです)。

「なぜこうなるのか?」

という理解がベースにあると、

②~⑤までのステップの学習効果を大きく高める

ことができますので、まずは

単元の基本をしっかり理解する

ところから始めることをおススメします。

中学理科の得点力を引き出す勉強法(その2「計算」編) まとめ

思考力、判断力、想像力、表現力を重視する

大学入試制度改革がすすめられると、

「考える力」を問われる理科の計算問題が

これまで以上に重視されるようになる

とのこと。

テクニック中心の

これまでの塾の勉強法では

対応できなくなる可能性もでてくる

のではないでしょうか。

今までやってきた勉強法で

結果が出ていない生徒さんは、

ぜひ一度だまされたと思って挑戦してみてください。

しばおくん
しばおくん
やってみたけど、効果ないよ~

という生徒さんは

①~⑤のステップのどこかが足りていない

と思うんです。

足りてないポイントをなくしていく努力は、

きっと無駄にはなりません。

先日、

理科のサポートを受講してくれるようになった塾生さんから、

最初に「理科の勉強法」の質問をうけましたので、

念のためブログでもご紹介しておいた方がいいな、

と考えた次第。

今回は、

中学理科の学習法のうち、

後半部分の「計算」について取り上げました。

中学生諸君のお役にたてたとしたなら、幸いです。

 
のびさん
最後に、重要公式を学年ごとにまとめておきます。
参考にして頂けたら幸いです。

中学理科 計算 主な公式

中1の計算式

物理

圧力
ある物体が、面を押す力。単位は、Pa(パスカル)

力の大きさ=100gの物体に働く重力の大きさ

単位は、N(ニュートン)

圧力の公式

化学

密度(g/cm3)
物質1cm3(立方センチメートル)あたりの質量

密度の公式と図

 

質量パーセント濃度(=濃度)
溶液に含まれる溶質の割合。単位は、%

濃度の公式

中2の計算式

物理

オーム(Ω)の法則
ある抵抗に流れる電流は、その抵抗にかかる電圧に比例する。

単位は、電圧=V(ボルト)、電流=A(アンペア)、抵抗=Ω(オーム)

電圧(V) =
電流(A) × 抵抗(Ω)

または、V = I R

オームの法則公式

 

電力
熱を生み出したり、ものを動かしたりする力。単位は、W(ワット)

電力(W)=
電圧(V)×電流(A)

電力量
使った電気エネルギーの大きさ。

単位は、
J=ジュール,W秒、
Wh=ワットアワー(時)、
kWh=キロワットアワー(kW時)

電力量(J,Ws)=
電力(W)×時間(1秒)

電力量(Wh)=
電力(W)×時間(1時間)
1Wh=3600J

電力量(kWh)=
電力(kW)×時間(1時間)
1kWh=1000Wh

熱量
消費した熱エネルギーの大きさ。
単位は、J(ジュール)、cal(カロリー)
※電力量とほぼ同じもの。

熱量(J)=
電力(W)×時間(秒)

1cal:1gの水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギー
   = 4.2J
  1J = 0.24cal

地学

湿度
大気中に水蒸気として含まれる水の量を比率で表したもの。空気のしめり具合。

単位は、%

湿度の公式

中3の計算式

物理

仕事
物体に加えた力の大きさに、動いた距離をかけたもの。
単位は、J(ジュール)

仕事(J)=
力(N)×力の方向に移動した距離(m)

ある物体に1Nの力を加え、力の向きに1m動かしたときの仕事は1J

仕事率
一定の時間にどれだけの仕事をするかの割合。

仕事率の公式

1Jの仕事を1秒間に行ったときの仕事率が1W

【関連記事】
中学理科の得点力を引き出す勉強法(その2)につきましては、下記の記事をご参照ください。

 

スクールの特徴紹介につきましては、下記ページをご参照ください。
お問い合わせにつきましては、下記ページをご参照ください。

 

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