どうしたらやる気になってもらえますか?
ご友人のお子様について、中学生のお子様がいらっしゃるお母様からこんなご相談をいただきました。
そこで、こちらの記事では
●お子様へのアプローチを変える理由:どんな状態のお子様にも使える“万能薬”はないから。
●保護者様の話が「聞ける」「聞けない」状態の違いでアプローチを変える。
●聞けるお子様への具体的アプローチ
●聞けないお子様への具体的アプローチ
●まとめ:受験生のお子様に一番必要なこと
について、お話しします。
こちらの記事を書かせて頂いたのは、
●開校5年半で、新潟県内トップ私立高校合格者を輩出。
●年評定平均:中学時代3.7→高校進学後4.9、4.8の塾生を輩出。
●サポートした不登校の卒塾生、大学へ進学。
●当ブログ、にほんブログ村カテゴリー「中学受験(個人塾)」
で、2020年6月から9ヶ月連続ランキング1位。
2021年1月、開設13ヵ月目で月間3万PV超。
●元公立高校教員
●現役カウンセラー
目次【タップでジャンプ】
高校入試、お子様のやる気を引き出すには……
高校入試をひかえたお子様は思春期で、メンタル面も不安定になりがち。
親子間のコミュニケーションが、お子様のやる気を引き出すポイントになる時期でもあります。
お子様へのアプローチを変える必要がある理由
高校入試を経験した保護者様へのアンケート結果によりますと、
●お子様のやる気を引き出せず困った経験をお持ちの方は、8割超
●受験期の親子のコミュニケーションが1日45分未満の方は、8割弱出典:記事「受験生の親の悩み調査!子供との1週間の会話が「5時間未満」が8割!」(2020.9.25)
「高校受験期のお子様のやる気に関する意識調査」株式会社ゴーゴーゴー
とのこと。
公的な調査結果ではありませんしデータのとり方も十分とは言い難く鵜呑みにするわけにはいきませんが、お子様のやる気と親子間のコミュニケーションには、一定の関係があると言えます。
本人も、なんだかよくわからないけれどイライラしたり、無気力になったり、
そうかと思えば突然もりあがってみたり…とメンタルが不安定になりやすく、自分でも心をもてあます状態、それが思春期の特徴です。
不安定な状態ですから、一方的に保護者様の想いを伝えようとしても、右から左へ抜けるだけでお子様の心にとどかないのです。
同じアプローチの繰り返しで、何の進展もないまま高校入試当日を迎える。
進学後、
そんなことにならないようにするためにも、お子様の状態を見極めたコミュニケーションが必要になるのです。
お子様の状態を見極めたアプローチ
お子様に
そうお考えの保護者様は多いのではないでしょうか。
やる気を出してもらうアプローチは色々ありますが、どんな状況にも対応できる万能薬的なアプローチはありません。
保護者様のお話を聞ける状態のお子様と聞けない状態のお子様、お子様の心の状態を見極めてアプローチを変える。
聞けるお子様なら聞けるなりのアプローチ、聞けないなら聞けないなりのアプローチをする。
こうすることで、やる気を引き出せるケースもあるのです。
お子様のやる気を引き出すアプローチ、具体策は?
保護者様のお話を聞ける状態のお子様と聞けない状態のお子様、
それぞれに役立つ具体的なアプローチ
を見ていきたいと思います。
。
保護者様のお話を聞ける状態のお子様へのアプローチ
落ち着いているときに保護者様の話に耳を傾けられる、
その場では聞いていない風に見えても後から保護者様の話を持ち出してくる
お子様は「聞ける」状態です。
繰り返しになりますが、調査結果でも示されているとおり、
●お子様のやる気を引き出せず困った経験をお持ちの方は、8割超
●受験期の親子のコミュニケーションが1日45分未満の方は、8割弱出典:記事「受験生の親の悩み調査!子供との1週間の会話が「5時間未満」が8割!」(2020.9.25)
「高校受験期のお子様のやる気に関する意識調査」株式会社ゴーゴーゴー
なわけですから、
話を聞けそうなときを見計らって、意識して話す時間を増やす
ことが、聞ける状態のお子様には効果的です。
将来や進路、受験について、感情的にならずにゆっくり話し合ってみましょう。
ポイントは
●「親の指導」「説教」という考えは一旦わきに置いて、対等な立場で話す
の2点。
この2点を心がけて話すだけで
驚くほどスムーズに親子間のコミュニケーションがとれる
ことに気づいて頂けると思います。
とはいえ、何でもお子様のいいなりになる必要はありません。
お子様の話に耳を傾けて、心から共感して聴く。
同意できないところは
と、はっきり意思表示して頂いて良いのです。
そうすることで、お子様は
と、自分の将来という課題を、自分事として意識することができるようになるのです。
たとえ話がまともにできたとしても、この年頃のお子さんは、その時々で心の状態がコロコロ変わることもあります。
コロコロ変わるということは、本人なりに試行錯誤している証拠。
保護者様には、一段高い視点から、状況を冷静に見きわめる「メタ認知」をフル活用されて、是非大人の余裕をもって対応していただきたいのです。
【関連記事】メタ認知につきましては、こちらの記事をご参照ください。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://school-nobinobi.com/a-shortcut-to-improving-grades-for-junior-high-school-students/ target=self]ポイントをおさえ、親子間のコミュニケーションをしっかりとることを意識して頂ければ、時間はかかってもお子様のやる気に火をつけることはできるのです。
保護者様のお話を聞けない状態のお子様へのアプローチ|その1
では、保護者様のお話しに聴く耳をもってくれないお子様には、どう接したらやる気を出してもらえるでしょうか。
先ほどの調査で「お子様のやる気を引き出すのに取り組んで良かったこと・効果があったことは?」という質問で最も多かった回答が、
●子どもが自発的に勉強するまで見守る:23.5%
出典:記事「受験生の親の悩み調査!子供との1週間の会話が「5時間未満」が8割!」(2020.9.25)
「高校受験期のお子様のやる気に関する意識調査」株式会社ゴーゴーゴー
実に、4人に1人の保護者様が「自発的に勉強するまで見守る」と回答されていらっしゃいます。
ですので、保護者様のアプローチ、具体策としては
会話無しでもできることから取り組む
見守る中でも、会話無しでできることでお子様にアプローチすることも可能です。
●進路関係の資料を本人が目にする場所に置いておくこと
の2つ。
これなら会話できなくても取りくめます。
1点目は、本人の前で、家計簿付けでも、家事でも、持ち帰った仕事でも、リモートワークでも……
保護者様が、物事に一生懸命取り組んでいる姿をみせる機会を増やす。
これなら会話がなくても可能です。
お子様は、保護者様や身近な大人の背中を想像以上によく見ているものです。
身近な人たちが、日々何かに一生懸命取り組んでいる…
それを見ているうちに
と、考え始めます。
学校でも、一部の生徒さん達が真剣に高校入試と向きあっている。
学校でも家でも、周囲の人たちは何かに一生懸命……
となれば、大きな問題を抱えているお子様でない限り、自分自身の進路を意識しないわけはないのです。
自分から動き出すきっかけをつくってあげるために、背中を見せる。
2点目も、自分から動き出すきっかけづくりの一つです。
本人の目にとまるところに、本人が興味がある(ありそうな)高校や大学、専門学校のパンフレット・資料をポンと置いておく。
目に入っているみたいだな……と思ったら片付ける。
数日あけてまた広げておく。これを2~3回くりかえしてみる。
保護者様がお子様の進路情報を調べている姿を、自然な形で見せるのです。
少しでも高校入試を意識しているお子様なら、気になってしょうがなくなります。
そのうち親がみてない時に手に取ってみるようになる…
自分で手に取ってもらうことで、初めて自分のこととして意識してもらえるようになるのです。
保護者様のお話を聞けない状態のお子様へのアプローチ|その2
もっと積極的にお子様へアプローチしたい保護者様への具体策
です。
例えば、ご相談頂いたお子様は、ご両親が話しても「のれんに腕押し」で、頑固。
一方で、担任の先生は信頼しているということでした。
こういうタイプのお子様は、先生を通してご両親の想いを伝えてもらうのが一番です。
本人が信頼していて、保護者様に協力してくれる方でしたら祖父母様でも塾講師でも、誰でもかまいません。
臨床心理学でいう“ラポール”が築けている人を通して、お子様とのコミュニケーションを心がければ良いのです。
お子様に限らず「信頼している人の話なら素直に耳を傾けられる」というもの。
高校入試という人生の重要な節目にあるお子様、なりふり構わず協力してもらうことも時に必要ではないかと思うのです。
お子様のやる気を引き出すアプローチ まとめ
こちらの記事では、
●お子様へのアプローチを変える理由:どんな状態のお子様にも使える“万能薬”はないから。
●保護者様の話が「聞ける」「聞けない」状態の違いでアプローチを変える。
●聞けるお子様への具体的アプローチ
●聞けないお子様への具体的アプローチ
について、お話ししました。
受験生の中学生にとって最も大切なことは、
今この時点で考えられる本人の目的、そしてその目的を達成するための目標設定です。
ここを明確にすることで、
その高校に合格するには?
と、自分事として、進んで考えられるようになるのです(同一化調整)。
【関連記事】同一化調整につきましては、こちらの記事をご参照ください。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://school-nobinobi.com/self-determination-theory/ target=self]
それでも、自分の頭で自分のことを考えること自体が大切。
答えは出なくても、進路はいずれ決めなくてはならなくなります。
どうしても決められないなら、進学後に将来を真剣に考えられる環境が整っている高校を選べばいいのです。
希望校が決まったら、気持ちを切り替えて高校合格に向けて今やるべきことに集中してとりかかれば良いだけになります。
さらに、保護者様には
●自発的に勉強するようになるまで見守る
●信頼できる方の力をお借りする
ように心がけて頂ければ、時間はかかるかもしれませんが必ず
お子様のメンタルが安定し、目標に向かって行動できる態勢を整えられる
そう、考えているのです。
万能薬ではございませんが、お子様のやる気を引き出すきっかけになれば幸いです。
少しでもお役にたてましたら幸いです。
【関連記事】高校入試に関する情報につきましては、以下の記事も併せてご参照ください。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://school-nobinobi.com/the-grades-of-junior-high-school-that-have-a-great-influence-on-the-success-or-failure-of-general-public-high-school/ target=self] [sitecard subtitle=関連記事 url=https://school-nobinobi.com/a-method-of-distributing-points-in-an-entrance-examination-named-inclined-allotment-of-points/ target=self] [sitecard subtitle=関連記事 url=https://school-nobinobi.com/efforts-to-free-tuition-fees-for-private-high-schools/ target=self]