気付くとボーっとしていることが多いんです。
もしかしたら、睡眠と関係があるかもしれません。
小中学生のお子さんの
- 集中力が続かない
- イライラしがち
- 成績が伸びない
とお悩みの保護者の皆様、
もしかしたら
子どもたちの「睡眠の時間と質」に問題があるのかも
しれません。
今回は、
筆者の経験した仕事と近年のデータから、
お子さんの睡眠と成績の関係について考えていきます。
睡眠を改善してあげるだけで、
見違えるほどお子さんのパフォーマンスが
アップすることもあるのです。
目次【タップでジャンプ】
セルフ人体実験で感じた、睡眠とパフォーマンスの関係
睡眠に悪影響を与えた仕事とは?
筆者が公立高校の教員だったとき、
「教員って、夏休み、冬休み、春休みあるからいいよね。」
と、たまに言われることがありました。
生徒の長期休暇中に
教員は何をしてるのかというと、
主に補習や保護者対応、
自分の教科の教材研究、
校務分掌の業務、
地区や県の会議、
そして部活動など…
1年のうち
「今日は何もない。完全フリーなお休み」
という日は片手で数えられるほど
でした。
教員を退職後、
一時期働いていた
介護施設での2交代勤務、
家族を養うために派遣で就いた
三交代制の工場勤務で
昼夜逆転の不規則勤務
を経験しました。
工場長、
「交代制の不規則勤務の人は、
規則勤務の人に比べて寿命が短くなる。」
と、よく言ってましたっけ。
常に危険と隣り合わせの職場で
「ご安全に」
という挨拶がむなしく聞こえた苦い思い出。
職歴はまだまだありますが、いまは個人事業主。
「年中無休」を謳っている教室ですので、
当然、年末年始やお盆も含め休業日はありません。
「休まず働く」って、
「モーレツ」なんて言葉がはやった
昭和の頃は美化されることもありましたが、
今や良い意味でとられることの少ないフレーズ。
ただ、昭和生まれの筆者としては、
良い面もあると思うんです。
好きなことだったら
休みなんてなくても頑張れるから
「休まず働く?ぜんぜんオッケー!」
な人もいると思うのです。
自分の意思で
「休みいらない」
という人は、
ある意味幸せなんじゃないかなと。
筆者もわりとそっちよりですから、
いまの仕事はとても幸せです。
「年中無休」っていっても、
「1日通した休日がない」だけで、
「休んでない」わけではないですので。
ただ、最近思うのは、
加齢とともに、
集中力や記憶力、
体力が落ちてきているってこと。
がむしゃらに仕事していた教員時代のように
無理が効かなくなってきてるし、
イメージ通り動けてないな…
と、切実に感じるときがあります。
筆者の場合、
交代制の不規則勤務では、
日勤勤務だけや夜勤勤務だけにくらべると、
ミスを連発するなど、パフォーマンスが極端に下がり
ました。
休みが多いっていう理由で選んだものの、
結局休みは疲れて寝てるだけになりがちで、
自分には全く向いてないことがわかったのです。
仕事のパフォーマンスを落とさない工夫
そんな経験と加齢による変化から、
「どうしたら、
パフォーマンスを高い状態のまま
下げずに維持できるか?」
と、考えるようになっていったのです。
そんな取り組みの1つが
「睡眠」。
筆者は寝不足だと、
「ただでさえ働かない頭が一層働かないタイプ」
だとわかってきたので、
最低でも6時間は寝る
ように心がけてます。
あとは、短い睡眠時間の場合でも、
不規則交代制勤務の経験から、
就寝時間、起床時間を変えないよう
規則的な睡眠
を心がけています。
「昼寝は午後からの仕事のパフォーマンスを上げてくれる」
と聞きかじったので、できるときは
「昼寝」
もするようにしてます
(幸い、“午後から夜のお仕事”ですので)。
あとは、
「眠りの質」も大事
だなと思います。
眠りが浅いので
「どうしたら」眠りの質を上げられるか?
も課題の1つ。
「ブルーライトは良い睡眠を妨げる」
と言われていますが、
仕事でパソコンの使用率が高い筆者は減らすのが難しい。
携帯はガラケーだから問題ないとして、
タブレットで仕事上必要なSNSを活用。
ただ、SNS好きではないので、
SNSやオンラインゲームを普通にする人よりは
使用時間は短め。
寝る前にタブレットをいじらない
ように気をつけないといけません
(できてないんですが…)。
あと、手軽にできそうなのは、
寝具を変える
こと。
そういえば、卒塾生さん、
「エア○ィーブ、めっちゃいいですよ!」
って言ってましたっけ。
本当に大丈夫?日本の子どもたちの睡眠
こんなふうに、
個人的には意識して気をつけるようにしているんですが、
生徒さん達の現状をみると本当に心配
になってくるんです。
諸外国と比較しても、
日本の子どもたちの「睡眠」は危機的状況
と言えるようです。
データで見る、日本の子どもたちの睡眠
直近ではないですが、
いくつかの調査結果をピックアップしておきます。
- 1960年から2000年のわずか40年間で、日本ではすべての年代で就床(ベッドに入る)時刻が遅くなり,睡眠時間が1~1.5時間短くなり、約60%の小学生が睡眠不足を訴えている。
( 福田一彦,石原金由.小学生・中学生・高校生における生活習慣及び疲労感に関する調査報告書.平成11年度科学技術振興調整費「日常生活における快適な睡眠の確保に関する総合研究」.2000) - 女子高校生は1日平均7時間、男子高校生は4.1時間、スマートフォンを使用。時間帯は、午前0時~3時の使用率は24.3%
(デジタルアーツ株式会社.未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査.2014年07月14日) - 小学生の携帯電話所有率は35~40%,携帯電話でのインターネット利用時間が1時間以上の割合は16.2%
(内閣府政策統括官.平成25年度青少年のインターネット利用環境実態調査報告書.東京:内閣府;2014) - ゲームを2時間以上する割合は小学校4年生で18.3%,小学校6年生で21.5%
(独立行政法人国立青少年教育振興機構.青少年の体験活動等に関する実態調査報告書.平成24年度調査.2014)
少し前のデータですから
全て真に受けるわけにはいきませんが、
その頃より状況が改善されている
ようには思えません。
かなり前のデータですが、
- 1989年の小学4年生から高校生を対象とした睡眠習慣調査で、「授業中の居眠り」の経験率は、
小4で5.4%、小5で2.8%,小6で3.9%。
中1で15.9%、中2で43.2%、中3で57.9%。
(石原金由,江口由佳子,三宅進.小・中学生における睡眠・覚醒習慣の変化.睡眠と環境.1995;3:90-97)
これでは十分な睡眠時間も質も確保できてるとは思えません。
睡眠不足は、
- 死亡の危険性
- 交通事故
- 学力低下、記憶力低下
- 運動能力低下
- 姿勢の崩れ
などを引き起こす要因の一つ
と考えられています。
小中学生のお子さんの
- 集中力がない、
- イライラしがち、
- 成績が伸びない、
のは、もしかしたら
「睡眠の時間と質」に原因があるかも
しれません。
ここを改善するだけで、
成績アップにつながるなら、
やってみる価値あると思うのですがいかがでしょう。
睡眠時間が足りてないなと思ったら、
いきなりスマホやタブレット、ゲームを
取り上げるのではなくて、
段階的に使用時間を減らしていければ、
睡眠時間もきちんととれるようになり、
すっきりした頭で授業に集中できるようになれば、
授業も頭に入りやすくなりますし、
成績も上がってくるお子さんもいるのではないか、
と考えていしまいます。
以前、
うちの卒塾生さんに睡眠時間を十分とってくださいね、
とお願いしたら実践してくれまして、
「授業中眠くならなくなった!」
と、喜んでもらえたこともありましたので
(もちろん、実話です)、
是非工夫されてみてはいかがでしょうか。
最後に、
「質の悪い睡眠」を漫画で解説した記事と、
安眠の助けになりそうなアロマオイル紹介記事のURL
を貼っておきましたので、
ご興味ある方はご覧になってみてはいかがでしょうか。
ありがとうございました。
【 参考資料 】
保健医療科学 2015Vol.64No.1p.3-10J. Natl. Inst. Public Health, 64(1): 2015
<総説>睡眠と健康:幼児期から思春期前
石原金由( ノートルダム清心女子大学人間生活部児童学科 )、土井由利子( 国立保健医療科学院統括研究官(疫学調査研究分野) )、内山真 (日本大学医学部精神医学系 )
最近の21ヶ国の大規模な長期的国際調査
因果関係ははっきりしないものの、6~8時間睡眠の人より寝すぎ(9~10時間)の人の死亡リスクが高いという結果もでているとのこと。
(カラパイア)
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