突然ですが、皆さんは「心理学」についてどんなイメージをお持ちでしょうか?
普段から気にしているからか、心理学に関する記事があるとつい読みふけってしまって、
と素直に納得してしまうこと、多いんです。
数年前に小学生期のお子さんをもつ保護者の皆様への講話の機会を頂いたんですが、そのときの資料を整理していて
「鵜呑みはいかん!」
的な記事を再発見しましたので、自戒もこめてご紹介します。
この記事を読み終えた皆さんは、今はまだ「心理学ってそうだったんだ!」と思ってくださるかもしれません。
心理学に対する、一般的なイメージは?
ちかごろは、メンタルテストなんかも含めると「心理学」に関する情報を見ない日はないというほど、「心理学ネタ」は各種メディアを賑わしています。なんとなく、
と感じてる方も多いんじゃないでしょうか。
ところが、心理学の進歩に関するイメージを根っこから揺るがしかねない記事を資料整理の時に再発見してしまいましたので、数年前の記事になりますが、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
心理学分野の実験の再現性は?
その記事によると、
「心理学の研究結果、6割以上が再現不可能」
とのこと。大雑把に説明させて頂くと、
「こんな研究の結果、こんな結果になったので、こんな風に結論付けます!」
な、心理学の研究結果を、
もう一度同じように検証してみたら、6割が同じ結果にならなかった…
ということです。
「6割再現不可能」って、占い以下でしょ!と思った皆さん、筆者も同感です!
心理学分野の実験の再現性、4割弱の衝撃
科学者270人からなる研究チームが、2008年にアメリカの主要査読学術誌3誌に発表された心理学と社会科学の研究論文100件について、その結果の再現を試みた調査結果で、元の研究論文と同じ結果が得られたのは、全体の39%だった、
というこの記事。
記事内でも触れられているように、
科学的主張の信頼性は、その主張の根拠となる証拠の「再現性」(ざっくり言うと、同じ要素や要因を整えれば、再び、まったく同じ事象が起こるということ)に“部分的に依存”している。
ので、同じ要素や要因を条件として整えた時に、再びまったく同じ事象が「起こらない」率が全体の61%となると、科学的主張の信頼性は大きく揺ぐことになってしまいます。
大学時代から今に至るまで学んできた「心理学」の論拠となる様々な研究結果は、もしかしたら、そのうちの約6割が信頼できないものだったの?
という思いで頭がいっぱいに。筆者にとっては衝撃的な記事でした…
そういえば、保護者向け講演でこの記事を話題にした際も、参加者の皆さんから「え~そうなの?」という声が、どよめきをもって挙がっていたことを思い出しました。
もしまだご覧になったことがないようでしたら、是非一度目を通されてみてはいかがでしょうか。
心理学は科学?改めて考えてみる“研究結果の信頼性” まとめ
これだけ科学技術が発達した現代においても、人間の脳についてはまだまだわからないことだらけだそうで、ということは、人の心も未だにわからないことだらけということだと思うんです。
「心理学の研究で、こんな結果がでた!」
と様々なメディアで大きく取り上げられたとしても、以前の筆者のように鵜呑みにしてしまう方は少ないはと思いますが、影響を受けやすい方は「そういう結果もでたんだな…」くらいの受け止め方でとどめておいたほうが、結果に振り回されて一喜一憂することが減り、心の安定のためにはいいかもしれません。
筆者的には、現段階では、残念ながら「心理学は疑似科学の域を出ない」と思われても仕方ないと思うんです。
この研究の目的は、
おまえら嘘つきやんか!
と責めたてるためではなくて、
研究手法やアプローチを見直して、もっと再現性を高めていこう!
心理学は科学!ってみてもらえるようもっと頑張ろう!
ということだったのではないか、と考えています。
こういった検証実験に代表される地道な研究をきっかけに、より多くの方が「人の心」について今以上に高い関心をもってもらえたなら、今後「心理学」が飛躍的に発展するかもしれない!
人間関係に悩む人が激減するかもしれない!
と明るい未来を思い描いた次第です。
心理学分野の今後の研究結果、引き続き「まゆつば」で、再現性の記載も意識しつつ注目していきたいと思います。
【 関連記事 】
脳科学から考える、「頭を鍛える方法」につきましては、下記の記事をご参照ください。
https://school-nobinobi.com/how-to-train-your-brain/
教室の取り組みにつきましては、下記の記事をご参照ください。