本当に効果あるのかしら?
いらっしゃいますよね。
今回は、中学生の「塾の自習室利用」の効果について、生徒さんの声から感じたことをお話ししていきます。
[outline]自習室利用と成績アップの関係は?
最近は多くの塾で導入されている「自習室」。
多くは、無料で開放されていて、実際に活用されている生徒さん達もいらっしゃるのではないでようか。
うちの教室にも、開校当初から教室をかねた自習スペースがあって、利用届を出してもらえれれば塾生さんは誰でも無料で利用できるようになっています。
「兄弟姉妹に小さい子がいて家でなかなか集中できない…」という理由を筆頭に事情はいろいろですが、
と、頻繁に利用してくれる塾生さんもけっこういて、意外と好評。
実際に成績アップのプラス要因になったと感じる生徒さんたちもいるんです。
「よかった、自習室利用は生徒さんたちに受け入れられていて、効果はある。」と勝手に思い込んでいました
が、ある塾生さんの意見から、そうとも言い切れないケースがあることに気づかされました。
ある塾生さんの声で気づいた落とし穴
その塾生さん、自分で記入する家庭学習の記録用紙から、なかなか自宅学習の時間が増えない様子が伝わってきていたので、こちらから提案するかたちで週3回自習室に来てくれていたんです。
あるとき、サポートする教科を増やす相談をしていた際に自習時間をどうしよう?という話に。
塾生さん、ちょっと考えてから、
「自習室は集中できるんだけど、
自習室を利用した日は自分なりに“頑張った”気になって、家に帰ってから勉強しようって気にならなくなる
んです。」
う~ん…
少しでも多く学習時間を確保してもらいたい!と思ってすすめた
自習室利用で、かえって自宅学習も含めた総学習時間が減ってしまっている
まさに本末転倒状態…
話し合いの結果、支援教科を増やすかわりに自習室利用を全てとりやめることになりました。
中学生の“塾の自習室利用”に潜む危険性
マンツーマンが中心の筆者の個別指導塾の場合、他の塾生さんのサポート時間と自習室利用が重なる場合や、担当講師が一人の場面ですと、自習中の塾生さんにずっと気を配るのは難しくなります。
幸い、講師と塾生さんの実際の距離が近い(ほんの隣り合わせ)のでこれまでのところ自習室で遊んでいる子はいなかったんです(ぼーっとしてたり、寝ってしまってた塾生さんはいます…)。
場合によっては自習室が数名で来た生徒さん達の単なる遊び場と化してしまう危険性もなくはない…
ひとりひとりの日頃の小さな心の変化を丁寧にくみ取れずに、自習室利用で学習時間を確保することばかりに気を取られていると、かえって生徒さんのモチベーションを下げてしまう可能性もある…
実際の利用状況も、塾生さんの心の小さな変化にも、もっと早く気づいてあげられたなら、もう少し早い段階で適切な対応ができていたのでは?と考えてしまいました。
無料開放している自習室の運用も、ひとりひとりの生徒さんの想いをくみ取りながら、きめ細かく対応できるようにより一層気を配っていかないと、何のための自習室なのかわからなくなってしまうということに改めて気づかされた出来事でした。
“塾の自習室利用”は成績アップに有効?生徒さんの声から まとめ
NOBINOBIのモットー
「これからどうする?」
は、生徒さんたちのためだけにある言葉じゃなくて、講師自身に向けられている言葉でもあります。
成績が上がらなかったからといって自習室で無理やり勉強させたとしても、内容の伴わないダラダラした時間の無駄遣いが増えるばかり。
塾生さんのモチベーションが高まって成績アップに繋がるのであれば、自習室を利用するしないは、どちらでも構わないわけで、塾側が強制するものでもないわけです。
自習室利用が、本当に学習時間を増やし「自ら学ぶ力」を引き出す効果があるものなのか?
生徒さんの利用状況と心の変化をひとりひとり丁寧に観察し見極めていく必要があると、今では考えています。
ありがとうございました。
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