小中学生の夏休みの宿題・課題の定番といえば“自由研究”もその一つ。普段から
そんな好きなことやものがある生徒さんにとっては“自由研究”は自分の取り組みを発表する絶好のチャンス!
一方、毎年何を研究しようか、悩んでいる生徒さんたちもいると思います。
こちらの記事では、そんな悩める小中学生の皆さん、ご家庭向けに、
自由研究テーマの定番“昆虫”、中でも筆者も子どもの頃から大好きでいまも飼育中のクワガタムシにスポットをあてて解説。
記事の内容は
●昆虫の自由研究の進め方、クワガタムシを例にポイントを丁寧解説
① 背景・目的→② 実験、観察、調査→③ 結果→④ わかったこと→⑤ まとめ、結論
●この記事のまとめ
この記事は
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こと“のびのび”が解説。
という皆さんに向けて、昆虫の観察から自由研究の進め方・書き方とコツについて、クワガタムシを例にご紹介します。
な皆さんは、
目次【タップでジャンプ】
自由研究の進め方|基本の“公式”を確認
自由研究の進め方には、作業の流れの順にそって取り組むだけでできる“公式”があります。
この“公式”にあてはめるとスムーズに完成!
わかりやすく、伝わりやすく、早くまとめることができるのです。
⇓
② なぜ?を解決するため○○する(実験、観察、調査)
⇓
③ ○○したら、□□になった(結果)
⇓
④ □□になったということは、△△ということ(色々わかったこと)
⇓
⑤ まとめるとこうなる(まとめ、結論)
高校生、大学生、専門学校生、社会人になっても使える研究やレポートの進め方の“公式”。
ぜひ一度つかってみてください。
自由研究の進め方
自由研究の進め方|①“なぜ?”を用意する
昆虫を自由研究のテーマにすると決めたら、まず“なぜ?”を用意しましょう。
昆虫だけでなく、どんな自由研究も“なぜ?”がなければスタートしません。
2021年、埼玉県の小学生の2年がかりの研究が、アメリカの生態学専門誌「エコロジー」に掲載されました。
小学生のカブトムシ研究、米学術誌に 「夜行性」覆す
世界が驚いた研究結果も、この生徒さんの“なぜ、夜によく動くはずのカブトムシが昼でも見れるんだろう?”
からスタートしています。
そんな皆さんのために、昆虫の自由研究としてクワガタムシを例に“なぜ?”の具体的なサンプルを用意しました。
切り口で分けた“なぜ?”のサンプル
クワガタムシの
・体のつくりはどうなっているのか?
・どんなところに住んでいるのか?
・なぜ夜に良くうごくのか?
・なぜ夜中でも餌の場所がわかるのか?
・最近クワガタムシをみかけなくなったのはなぜ?
・日本にいないはずの外国産クワガタムシが見つかるのはなぜ?
・なぜ日本にいるクワガタムシがお店で売っているのか?
・なぜ外国産クワガタムシが日本で買えるのか?
・世界には何種類のクワガタムシがいる?
・日本には何種類のクワガタムシがいる?
・クワガタムシの種類はどこで見分ける?
・日本のクワガタムシで一番大きい(一番小さい)種類はどれ?
・どうやってつかまえる?
・何を食べる?
・どのくらい生きる?
・どうやって育てる?
・固有種のクワガタムシはいつ日本にやってきた?
・クワガタムシは昔から人気があったの?
・クワガタムシはなぜ人気がある?
・日本以外の国でも、クワガタムシは人気?
・クワガタムシはなぜこんな形になった?
・なぜ大アゴをもつようになったの?
・同じ種類で、なぜ体の大きさや色の違いがある?
・大アゴの外側の触角と内側の小さな触角の違いは?
自分で“なぜ?”を考えてもらっても、サンプルをそのまま使ってもらってもいいのですが、一つだけ注意点が。
あまりいくつも“なぜ?”を用意してしまうと、上手くまとまらなくなってしまいます。
切り口が似たようなものだったとしても、“なぜ”を少なくすればまとめやすくなります。
“なぜ?の切り口”とは?
先ほどあげたクワガタムシの“なぜ”は、似たようなものをグループにまとめてあります。
このグループを“切り口”と言ったりします。
皆さんが決めた“なぜ?”は、どんな切り口だったでしょうか?
自分の切り口がわかれば、同じ切り口の中から“なぜ?”を選んで決める。
興味があったとしても、違う切り口の“なぜ?”からいくつも選んでしまったら“なぜ?”どうしのつながりがうすくなってしまいますし、
解決するための作業がふえて、まとめにくくなってしまいます。
“なぜ?”の発展キーワード
自分で決めた“なぜ?”から、さらに一歩進めて考えてみることで、自分だけのオリジナルな自由研究に進化させることもできます。
ここでは、思いつくままクワガタムシのキーワードをあげてみました。
ここにあげたもの以外でも、自分で気になる言葉=キーワードを探して詳しく調べてみることで、“なぜ?”をより深く考えられるようになると思うのです。
タブレットなどのツールを上手に活用して情報を集めれば、オリジナリティーの高い自由研究に仕上げることもできます。
注意点は、ネットの情報の中には“うそ”がまぎれこんでいる点と“うそ”を見抜くのは大人でも難しい点。
とワクワクしても、その情報が本物かどうか?別の専門家が書いたものや図鑑や百科事典などの本で二重三重に確認してみてください。
せっかく調べた情報が実は“うそ”で、知らないうちに皆さんが“うそを広める人”になれば、皆さん自身に火の粉がふりかかることもあるからです。
自由研究の進め方|②“なぜ?”を解決するためにすること
“なぜ”が決まったら、次になぜを解決するための方法を考えて、実行しましょう。
例えば、大歯型(アゴが大きくて曲がっている)のノコギリクワガタのオスと、小歯型(アゴが短くて真っすぐ)のノコギリクワガタのオスを飼っていて
を“なぜ?”に選んだ生徒さんなら、飼っているクワガタを比べてみてよ~く観察して記録。
さらに他の人の観察記録を調べたりして情報をあつめ“なぜを解決”していくのです。
を“なぜ?”に選んだ生徒さんは、キュウリを挟ませてみるなどの実験と
これまで試した人はいないかなどの調査で、なぜを解決していくことになります。
“なぜ?”の種類にもよりますが、1回だけでなく2回、3回、一週間など同じ調査を何度もくりかえすと結果が積み重ねられていきます。
こうすることで、皆さんの研究がより多くの人に
と納得してもらえるようになるのです。
自由研究の進め方|③結果を記録する
“なぜ?を解決する方法を考えて、実際に実験、観察、調査をやってみたら、結果を記録していきます。
この記録をもとに皆さんなりの考えをまとめていきますので、とても大切な作業。
シンプルな“自由研究用NOBINOBIオリジナルテンプレート”も用意しましたので、よかったら使ってみてください、ダウンロードフリーです。
※データ形式はPDFです。著作権者は“新潟市のマンツーマン個別指導塾スクールNOBINOBI”です。
注意点として、もし飼っているクワガムシで自由研究するのなら、
・長い時間さわらない
・できるだけ素手でさわらない
・つかまっているとき無理に引っぱらない
であげて欲しいのです。
人の体温は36度前後あります。
クワガタムシは夏に成虫が活発に活動しますが、本来は夏でも街中よりずっと涼しい森の中で生活しています。
クワガタムシにとって人の体温は暑すぎ。
長時間さわっていると暑さで弱ってしまい、早く死んでしまうこともあります。
また、人の皮膚には10種類以上の菌が住んでいて、人にはあまり悪さをしませんがクワガタムシにはどんな悪さをするかわかりません。
また、大アゴではさまれてケガをするかもしれません(筆者の弟は、小学生の頃ノコギリクワガタのオスになぜか足の親指をガッツリはさまれ流血!大泣きでした……)。
できれば、手袋をはめてさわることをおススメします。
また、木などにしっかりつかまっている時に無理に引っぱると、足の先端(跗節(ふせつ、手足の先端の細い部分))がとれてしまったり、足ごともげてしまったりします。
足を両側からこちょこちょすると、イヤがって自分から離してくれることもありますので、試してみてください。
自由研究の進め方|④結果をみてわかることわからないことを書きだす
③で実行した結果をもとに
・わかったことを書きだす。
・わからなかったことも書きだす。
・皆さんの前に同じような研究した人はいたか?
いたら、その人はなんと言っていたか?
自分の予想と違う結果になったり、うまくいかなかったとしても大丈夫!それをそのまま“わかったこと”として、書きだせばいいのです。
自由研究の進め方|⑤ ④をもとに、自分の考えをまとめる
電球を発明したエジソンさんは、完成まで2万回失敗したと言われています。
ですが、エジソンさん本人は失敗を失敗と思わなかった……
“この方法では電球は光らないことがわかったから、また完成に一歩近づいた!”
と考えて別の方法を次々と試し、ついに電球を発明したとのこと。
ですから、書きだした“④色々わかったこと”をもとに、予想と違う結果やうまくいかなかったことも含め、自分の意見をプラスして“⑤結論”にすればよいのです。
まとめ
こちらでは
記事の内容として
●昆虫の自由研究の進め方、クワガタムシを例にポイントを丁寧解説
① 背景・目的→② 実験、観察、調査→③ 結果→④ わかったこと→⑤ まとめ、結論
さらに自由研究は“公式”で進めれば上手くいく!
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② なぜ?を解決するため○○する(実験、観察、調査)
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③ ○○したら、□□になった(結果)
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④ □□になったということは、△△ということ(色々わかったこと)
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⑤ まとめるとこうなる(まとめ、結論)
について、昆虫のクワガタムシを例にお話ししてきました。
まだ発見されていない生物も含めると、この地球上には870万の種類(種)の生物が暮らしているといわれています。
3000万種がくらしているという研究者もいます。
見つかっている動物の種類だけで137万種以上(植物やカビなどの菌類以外の種)。
そのうちの約7割、100万種(日本には約3万700種)がクワガタムシやチョウなどの昆虫。
地球は“昆虫の星”と言ってもいいほどなのです。
地球上に動物は全部で何種類いるの?
昆虫の世界は、わかっているようで実はよくわからないことがまだまだたくさんある。
ですから、昆虫は小中学生の自由研究にピッタリだと思うのです。
先ほどの小学生のように、世界を驚かせる発見や研究ができる……
いまこの記事を読んでくれている皆さんにも新発見のチャンスがたくさん残されている世界なのです。
せっかく時間のある長いお休み。
虫が大丈夫であれば、普段気になって仕方がない昆虫の“なぜ?”を探して解決してみる、
そんな自由研究に、楽しみながらチャレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。