新潟県の公立高校一般入試の具体例で比較します。
のび君が同条件で2校受験!同じ結果を教育委員会公開資料の計算方法で試算。
結果やいかに?
内申点:学力検査の比重は、3:7。
学校独自検査は、両校同じで100点満点。
●のび君は、両校を受験。
内申点と学力検査の5教科得点は、両校とも同じ。
●のびのび高校のみ、数学と理科が傾斜配点。
得点の種類 \ 高校 | のびのび高校(傾斜配点:2教科) | ぐんぐん高校(傾斜配点なし) |
内申点 | 29.6 % | 36.2 % |
学力検査(5教科) | 63.9 % | 55.8 % |
学校独自検査(100点満点) | 6.5 % | 8.0 % |
合計 | 100% | 100% |
●ポイント
傾斜配点の教科がある高校と無い高校とでは、結果から見た内申点と学力検査のウエイトは大きく変わる。
こちらの記事の内容は
●比較の前にまず確認。入試前に決まっている「内申点」
・調査書内「学習の記録(内申点)」の換算点、具体例
●傾斜配点のある高校を受験したら?具体例
・「学力検査」の換算点の計算
・公立高校一般入試の「得点」の出し方は?
・公立高校一般入試の「総合得点」の出し方は?
●傾斜配点のない高校を受験したら?具体例
●まとめ
●豆知識:傾斜配点とは?
- こちらの記事を書かせて頂いたのは、
●開校5年半で、新潟県内トップ私立高校合格者を輩出。
●年評定平均:中学時代3.7→高校進学後4.9、4.8の塾生を輩出。
●サポートした不登校卒塾生、定時制高校→大学進学。
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目次【タップでジャンプ】
比較の前にまず確認。入試前に決まっている「内申点」
新潟市内の中学に通うのび君に、公立ののびのび高校とぐんぐん高校の一般入試を両方受験してもらうことに!
そのまえに……
※表で示したカラーは、文中の文字色とリンクしています。
調査書内「学習の記録(内申点)」の「換算点」、具体例
のび君は、数学と理科が得意!全教科の評定(成績)は3年間全く変わらず
- 評定「5」:数学、理科
- 評定「4」:国語、社会、英語
- 評定「3」:美術、音楽、技術家庭、保健体育
でした。 ※新潟市の中学校の内申点は3年135点満点です。
内申点(「学習の記録」の合計)計算は、
- 5 × 2教科 × 3年 = 30
- 4 × 3教科 × 3年 = 36
- 3 × 4教科 × 3年 = 36
30 + 36 + 36 = 102
評定の平均は、
102 ÷ ( 9教科 × 3年 ) = 3.77777…
となります。
内申点合計 102点なので、
換算点(表のb)
= 102点 ÷ 135点(内申点満点) × 1000
= 0.75555… × 1000
= 755.55…
少数第2位を四捨五入して、755.6になりました。
傾斜配点のある高校を受験したら?具体例
のび君は、数学と理科を傾斜配点とするのびのび高校を受験!
「学力検査」の「換算点」の計算
学力検査の入試点数は5教科全て、50点という結果でした。
※2019(平成31)年度入試の全日制5教科平均の合計は、253点です(小数第1位四捨五入)。
傾斜配点を実施しない教科は、学力検査の得点を「その教科の得点」とする。
傾斜配点を実施した教科は、その教科の「学力検査の得点を2倍した値をその教科の得点」とする。
受験したのびのび高校のこの学科は、数学と理科が傾斜配点でしたので
- 50点 × 2倍 × 2教科 = 200点
- 50点 × 3教科 = 150点
- 合計、350点
換算点(表のc)
= 350点 ÷ 500点(満点) × 1000
= 0.7 × 1000
= 700 になります。
公立高校一般入試の「得点」の出し方は?
上の表の
- 換算点b = 755.6点
- 換算点c = 700点
それぞれに、受験したのびのび高校が設定している内申点と学力検査の比重をかけて、合計したものが表の中の得点(表のa1)です。
※調査書と学力検査の比重とは、「うちの高校では、内申点は30%、学力検査(入試の点数)は70%の重みで評価しますよ。」ということです。
のびのび高校の調査書と学力検査の比重は 3:7。
先ほどの
- 換算点b = 755.6点
- 換算点c = 700点
それぞれに
- 30% = 0.3
- 70% = 0.7
をかけると…
- 755.6 × 0.3 = 226.68
- 700 × 0.7 = 490
そして、この2つを合計し、 226.68 + 490 = 716.68
少数第1位を四捨五入して 717
この717点が、得点a1 となるのです。
公立高校一般入試の「総合得点」の出し方は?
新潟の公立高校一般入試では、ほとんどの学校で2日目に学校独自検査(表のd)を実施、文字通りその高校独自の入学検査です。
のび君が受験したのびのび高校の学校独自検査は筆答検査A。点数は100点満点中、50点でした。
先ほど出した得点a1 717点と 学校独自検査50点 をたすと、
717点 + 50点 = 767点。
これがのびのび高校での、のび君の総合得点(表のa2)となります。
この結果から
のび君「総合得点」767点から逆算した比率は……
内申点:227/767 =29.6%
学力検査(5教科):490/767 = 63.9%
学校独自検査:50/767 = 6.5%
傾斜配点のない高校を受験したら?具体例
全く同じ条件で傾斜配点のないぐんぐん高校を受験したらその結果は?
条件と計算方法は、傾斜配点を除いて全て同じ。
内申点 102点
換算点(表のb) = 102点 ÷ 135点(内申点満点) × 1000
= 0.75555… × 1000
= 755.55… 少数第2位を四捨五入して
755.6 ここは全く同じです。
学力検査の入試点数は5教科全て、50点。ぐんぐん高校は、傾斜配点がないので単純に
50点 × 5教科 = 250点
換算点(表のc) = 250点 ÷ 500点(満点) × 1000
= 0.5 × 1000
= 500
ぐんぐん高校の調査書と学力検査の比重ものびのび高校と同じ 3:7。
- 換算点b = 755.6点
- 換算点c = 500点
それぞれに
- 30% = 0.3
- 70% = 0.7
をかけて
- 755.6 × 0.3 = 226.68
- 500 × 0.7 = 350
この2つを合計し、
226.68 + 350 = 576.68 少数第1位を四捨五入して 577。
577点が、得点a1 です。
ぐんぐん高校の学校独自検査も筆答検査A。点数はのびのび高校と同じ、50点。
先ほど出した得点a1 577点と学校独自検査50点 をたすと、
577点 + 50点 = 627点。
これがぐんぐん高校での総合得点(表のa2)。
のび君「総合得点」627点から逆算した比率は……
内申点:227/627 =36.2%
学力検査(5教科):350/627 = 55.8%
学校独自検査:50/627 = 8.0%
となりました。
まとめでは両校を比較したポイントをお話します。
まとめ
内申点:学力検査は3:7。
学校独自検査は両校同じタイプで100点満点。
●のび君は、両校を受験。
内申点と学力検査の5教科点数は、両校とも同じ。
●のびのび高校のみ、数学と理科が傾斜配点
でした。
【 ぐんぐん高校の結果と総合得点 】
そして、最初に挙げた比較は
得点の種類 \ 高校 | のびのび高校(傾斜配点:2教科) | ぐんぐん高校(傾斜配点なし) |
内申点 | 29.6 % | 36.2 % |
学力検査(5教科) | 63.9 % | 55.8 % |
学校独自検査(100点満点) | 6.5 % | 8.0 % |
合計 | 100% | 100% |
でした。
のびのび高校、ぐんぐん高校は、実在の高校の名前を変えただけ。
新潟県の公立高校一般入試では、内申点と学力検査のウエイト(比重)と学校独自検査が全く同じでも
傾斜配点教科が有るか無いかで、結果から見た内申点と学力検査の重みは大きく変わります。
今回のケースでは、傾斜配点がある高校は、学力検査が全体に占める割合は8%以上高くなっています。
傾斜配点になっている教科が得意な生徒さん、教科の得意不得意にばらつきがある生徒さんにとってはメリットの大きい入試制度
と言えるのではないでしょうか。
注意点としては、傾斜配点教科のある高校を希望する生徒さんたちは、当然ですがその教科に自信がある生徒さんが集まります。
自分では得意だと思っていても、もしかしたら自分の中学校の中だけの話かもしれません。
都道府県や全国対象の模試に参加して自分の得意教科の実力をチェックしておけば、鬼に金棒です!
最後までお読み頂きありがとうございました。
公立高校一般入試の合否に占める内申点の重みにつきましては、こちらの記事をご参照ください。
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スクールの特徴紹介につきましては、下記ページをご参照ください。
豆知識
傾斜配点って?
傾斜配点とは、
学部・学科に関連の深い特定教科の配点に一定の倍率をかけ、他教科より比重を重くし、差をつけること。
たとえば、英語科の試験では英語の得点を他教科に比べて高くする、歴史学科の試験では、世界史の得点を他教科に比べて高くする、など。高校入試や大学入試で使われます。引用元:塾ナビ-「学習塾・受験用語特集」
今回のケースでは、数学と理科の得点は2倍で計算しているということを指しています。
令和3年度生徒募集予定の新潟県公立高校数と学科数
新潟県教育委員会の公開資料から令和3年度の公立高校入試情報を表にまとめました。
※新潟県教育委員会-「令和3年度新潟県公立高等学校 学校・学科ごとの選抜方法等」を基に集計
※転載をお控え頂き、ありがとうございます。
令和3年度の新潟県全日制公立高校入試の傾斜配点学科(予定)
※新潟県教育委員会-「令和3年度新潟県公立高等学校 学校・学科ごとの選抜方法等」を基に集計
※転載をお控え頂き、ありがとうございます。
といった状況です(2020年8月9日現在)。
全日制高校で傾斜配点を実施予定の学科は、101学科中、13学科。12.9%ほどになります。
ただし、
令和3年度に入学する生徒を募集する学科については,令和2年10月末までに決定します。
この表の中の一部の学校・学科については変更される場合があります。
となっていますので、ご注意ください。