
調査書中の「内申点」と「学力検査結果(得点)」、「学校独自検査結果(得点)」からどのように総合得点を出し、順位を決めているのか?
丁寧にご説明します。
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● 内申点、入試試験結果の点数と、「入試の得点」は違う。
● 新潟県の公立高校一般入試は、「入試の得点」出すための計算式がある。
● のび君の内申点と、入試の点数を参考に、入試の「総合得点」を試算。
● 試算の結果から、内申点が「総合得点」のどのくらいを占めるか?を逆算。
● 希望の高校を選べるようになるための対策。

目次【タップでジャンプ】
公立高校一般入試の「総合得点」の出し方は?
はじめに試算結果をご覧ください。
のび君「総合得点」590点から逆算した比率は…
内申点:240/590 = 40.7%
学力検査(5教科):300/590 = 50.8%
学校独自検査:50/590 = 8.5%
まず注意して頂きたいのは「総合得点」という表現。
内申点、入試試験の点数と、「入試の得点」は違うという点です。
入試用の計算式に受験者の内申点と入試点数を入れて計算して出されるのが「入試の得点」なのです。
計算後の得点は、「換算点」と呼ばれています。

内申点の比率、こんなに高いんですか?

順番に丁寧に説明していきます。
調査書「学習の記録(内申点)」と「学力検査」の「換算点」の出し方は?
ここでは、のび君の中学時代の成績と公立高校一般入試の点数を例に実際に計算してみます。
表で示したカラーは、文中の文字色とリンクしています。
調査書内「学習の記録(内申点)」の換算点の計算方法
のび君は3年間全教科の評定(成績)がオール「3」でした。
評定(成績)「3」 × 9教科 × 3学年 = 内申点 81点
なので、
換算点(表のb) = 81点 ÷ 135点(内申点満点) × 1000
= 0.6 × 1000
= 600
になります。
「学力検査」の換算点の計算方法
のび君、県立NOBI高校を受験!
学力検査の入試点数は
5教科全て、50点
という結果でした。
※2019(平成31)年度入試の全日制5教科平均の合計は、253点です(小数第1位四捨五入)。
50点 × 5教科 = 250点
なので、
換算点(表のc) = 250点 ÷ 500点(満点) × 1000
= 0.5 × 1000
= 500
になります。
この
換算点b = 600点
と
換算点c = 500点
それぞれに
さらに
受験した新潟県立NOBI高校
が設定している
内申点と学力検査の比重
をかけて、合計したものが
表の中の
得点(表のa1)
になります。
※調査書と学力検査の比重とは?
「うちの高校では、内申点は40%、学力検査(入試の点数)は60%の重みで評価しますよ。」ということ。
新潟公立高校の内申点と学力検査の比率は「5:5」「4:6」「3:7」の3パターンです。
公立高校一般入試の「得点」の出し方は?
のび君が受験した新潟県立NOBI高校の調査書と学力検査の比重は
4:6
でした。
換算点b = 600点
と
換算点c = 500点
それぞれに
40% = 0.4
と
60% = 0.6
をかけると…
600 × 0.4 = 240
500 × 0.6 = 300
そして、この2つを合計して…
240 + 300 = 540
この 540点 が、のび君の高校受験の 得点 a1 となります。
公立高校一般入試の「総合得点」の出し方は?
新潟の公立高校一般入試では、2日目に学校独自検査(表のd)が行われます。
文字通り、その高校独自の入学検査。
2020年度入試で学校独自検査のなかった公立高校は
長岡市の正徳館高校1校、
その他の県立、市立高校は全て実施されました。
学校独自検査の点数は
500点満点、400点満点、300点満点、200点満点、100点満点
の5種類、ですが、実際には
500点満点、200点満点、100点満点
がほとんどで、
100点満点の検査が最も多くなっています。
令和2年度新潟県公立高等学校 学校・学科ごとの募集人数と選抜方法等
学校独自検査は大きく分けて、
面接(個人,集団の2種類)、PRシート、実技検査、課題作文、筆答検査(A,Bの2種類)、その他の検査
の6種類あります。
のび君が受験したNOBI高校の学校独自検査は筆答検査B。
点数は100点満点中、50点でした。
先ほど出した得点a1 540点と
学校独自検査 50点 をたすと…
得点a1 540点 + 学校独自検査d 50点 =
590点。
こうして出された得点が新潟県公立高校一般入試の
総合得点(表のa2)
となるのです。
最後に、このように出された総合得点の高い順に通し番号をつけて順位を決めるのです。
高等学校長は
(この受験者全員の結果が記入された)「総合得点表」を主な資料とし,これに「各教科の学習の記録(内申点)」以外の「調査書」記載事項を併せ,「入学者選抜会議」の審議を経て,入学者を選抜する。
ことになります。
中学の内申点、公立高校一般入試の合否に占める重み まとめ
はじめにお伝えしたとおり、
のび君「総合得点」590点から逆算した比率は…
内申点:240/590 = 40.7%
学力検査(5教科):300/590 = 50.8%
学校独自検査:50/590 = 8.5%
あくまで、新潟県の公立高校一般入試での総合得点の出し方と結果からの逆算になりますし、
お住いの都道府県、受験する高校の内申点と「得点」の比率、本人の内申点、学校独自検査の種類と得点で結果は大きく変わってきますが、
上記の例からは
新潟県の公立高校一般入試で、調査書中の「学習の記録」=内申点が大きなウエイトを占めている
ことが見えてきます。
新潟市の中学校の場合、調査書内の「学習の記録」=内申点は、中学1年、中学2年、中学3年のそれぞれの学年の9教科の評定(5段階の成績)を合計したもの
です。
中学1年生の前期(1学期)定期(中間)テストの5教科の成績から新潟県の公立高校入試の合否を決める重要な要素
となるのです。
各教科の評定は、学期ごと、学年ごとに積みあがっていくものですので、評定「3」を、すぐに評定「5」に引き上げるのは
至難の業です。
中学1年生で進学したい高校を決めている生徒さんは少ないと思います。
ですが、中学3年生になったとき内申点が足りずに進学したい高校を選べなくて一番悲しい思いをするのは本人です。
将来、進学したい高校を選べるようにするためにも、まずは、日々の教科の取り組みを見直してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
古来より
「千里之行、始於足下」
(『老子』第64章 千里の道も一歩から)
と申しますので……
【関連記事】
中学校の学年成績の決め方(通知表スケジュール)につきましては、下記の記事をご参照ください。

少しでもお役にたてましたら、幸いです。