いろんな種類があるよね。
でも、よくわからない…
何をどう勉強するの?
学科って?単位って?
授業や時間割は?
中学生の皆さんと
保護者様のお悩みにお答えします!
こちらの記事の内容は、
●3タイプそれぞれにある「学科」も3種類。「普通科」、「専門学科」、「総合学科」を説明。
「専門学科」のうち、主な学科20種類を紹介。
●高校ってどんなところ?高校の中身、基本を確認。
単位、教科・科目の種類と違い、「学年制」と「単位制」、特別活動それぞれの基本を解説。
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おさえておきたい基本を
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目次【タップでジャンプ】
高校は大きく分けると3タイプ|教育課程とそれぞれの違い
高校は、勉強する時間帯、時間割、場所の違いから
まず「全日制」、「定時制」、「通信制」
3つのタイプ(課程)に分けられます。
【 参考資料】国立高校+公立高校+私立高校の課程別の数と比率(2015年度)
※一つの学校が2つ以上の課程を併置している場合は、それぞれの課程について、重複して計上されています。
それぞれ、どんな高校か?
見ていきます。
全日制課程
一番多いタイプは「全日制」。
通常の課程で、修業年限は3年。
中学校のように、
月曜日~金曜日の
8時過ぎから16時半ころまでの
日中に勉強する高校です。
1日5時間から8時間の授業があります。
定時制課程
次に多いタイプが「定時制」。
夜間、その他特別の時間、特別の時期に
授業を行う課程で、修業年限は3年以上。
もともとは、昼間仕事をした後、
夜勉強したい生徒のための高校です。
時代とともに多様化し、
現在は、授業時間の違いで、
- 夜間(夜だけ)
- 昼夜間(昼と夜の2部制、午前・午後・夜間の3部制)
- 昼間(昼間だけ)
の3種類あります。
※昼間2部、夜間部の両方を持つ定時制や4部制の定時制もあります。
同じ名前の全日制の高校の校舎を
使うか使わないかで、
全日制と同じ校舎を使う定時制高校を「併置」、
定時制だけの高校と
定時制と通信制がある高校
両方を「単置」と呼びます。
ちなみに、筆者が25年ほど前に勤めた、
埼玉県立O商業高等学校定時制は、
全日制の商業高校と同じ校舎を使っていた
「併置」。
月曜日~金曜日の
17時過ぎから22時前までの間の1日4時間授業。
4年制(卒業まで4年かかる)の高校でした。
通信制課程
一番少ないタイプが「通信制」。
通信による教育を行う課程で、
修業年限は3年以上。
3年制、4年制が一般的です。
自宅で教科書を中心に勉強し、
課題やレポートを提出して
教員から添削を受けながら勉強します。
面接指導(スクーリング)や体育など、
学校で受ける授業のために
月に2~4回程度高校に登校。
添削指導、面接指導(スクーリング)、試験
を通して科目の単位を修得していきます。
高校の卒業条件を満たせば、
全日制、定時制と同じ
「高卒」の学歴となります。
どの高校にもある「学科」って?
全日制、定時制、通信制の
どのタイプの高校にもあるのが「学科」。
大きく分けて3種類あります。
【公立高校 3つのタイプと学科】
※通信制課程の総合学科がある公立高校の一例に「広島市立広島みらい創生高等学校」があります(2018年4月開校)。
※転載をお控え頂き、ありがとうございます。
高校の「学科」は、
勉強の分野や内容ごとにまとめられた単位(グループ)。
学科には、教員と生徒の両方が所属します。
【 参考資料】国立高校+公立高校+私立高校の全日制・定時制の学科の数と比率(2015年度)
※「別科」、「専攻科」を除いて集計されています。
※一つの学校が2つ以上の課程を併置している場合は、それぞれの課程について、重複して計上されています。
それぞれ、どんな違いがあるのか?
見ていきます。
普通科
高校の学科で一番多いのは「普通科」。
主に「普通教育」を行う学科で、
中学校の教科科目をより詳しく勉強する学科です。
大学・短大進学率は63.8%(平成30年度)です。
参照サイト:文部科学省-「普通科・職業学科別進学率就職率」
※「普通教育」とは、全国民共通の一般的・基礎的、かつ国民に必要とされる教育で、職業的・専門的ではない教育のこと。
専門学科(職業学科)
高校の学科で次に多いのは「専門学科」。
「職業学科」とも呼ばれています。
「専門教育」を主とする学科で、
専門分野ごとに分けられています。
必履修・選択必履修の教科科目のほかに、
専門教科・科目を25単位以上とる必要
があります。
大学・短大進学率は、21.4%(平成30年度)です。
参照サイト:文部科学省-「普通科・職業学科別進学率就職率」
※「専門教育」とは、知識や学問を実際の職業に役立てようとする教育のこと。
どんなことを勉強するの?
特別支援学校の学科を除いて
主な専門学科は、
農業科、工業科、商業科、水産科、家庭科、看護科、福祉科、情報科、複合的な学科、
理数科、英語(外国語)科、音楽科、美術科、体育科、国際関係、
舞台表現、書道、観光・地域振興、人文科学、探究活動
の20種類
あります。
詳しい中身につきましては、下記の記事ご参照ください。
そうなんだ!高校の専門学科、種類は?内容は?わかりやすく解説
総合学科
高校の学科で一番少ないのが「総合学科」。
普通教育と専門教育を選ぶことができ、
総合的に学べる学科です。
普通科、専門学科のどちらの科目からも
選択して勉強できます。
例えば、専門学科ではとりにくい
工業系の科目と商業系の科目を同時に
両方選択して勉強することもできるのです。
大学・短大進学率は、35.9.%(平成30年度)。
参照サイト:文部科学省-「高等学校卒業者の学科別進路状況」
必ず単位をとらなければならない
必履修科目は「産業社会と人間」
です。
高校ってどんなところ?高校の中身、基本を確認
次に、実際にどんな風に勉強していくのか?
高校の中身について見ていきましょう。
高校は単位を修得する(認められる)と卒業
できる、後期中等教育を担当している学校です。
ちなみに、前期中等教育は、中学校のこと。
近年は、公立でも中高一貫校が増えています。
中高一貫校は
「前期と後期の中等教育をまとめて行う学校」
なので「中等教育学校」と呼ばれます。
すべての高等学校と中等教育学校の後期課程は
「単位制」を採用しています。
高校卒業に必要な単位は74単位以上。
卒業に必要な単位数は、
高校によって違いますので、注意が必要です。
単位ってなに?
ここで出てきた「単位」って、
何でしょうか?
高校での
「単位」とは、各科目の勉強量のこと。
「1単位時間」は、50分です。
標準の1単位は、
50分/1コマ × 年間授業週数35週
= 35時間/年 です。
例えば、全日制の高校で
教科「国語」のなかの
3単位の科目「国語表現」は、
「国語表現」の授業が
時間割表で週3コマ、
1年間勉強しますよ、ということ。
単位を認められれば
3単位ゲット!(修得)となります。
高校でとる単位の数は?
週当たりの標準授業時数は、
全日制の課程では(従前と同様)30単位時間。
月曜日から金曜日までの週5日、
毎日6(単位)時間で、週30(単位)時間
になります。
週当たり授業時数は、
多くの高校で30~35単位時間です。
なので、
一週間の時間割表 ≒ その学年で修得する単位の数
といえます。
例えば、全日制普通科の高校で、
各学年の修得単位が30単位だとすると、
30 × 3年 = 90単位。
これを修得することで、
卒業を認める学校ということになります。
【参考資料】全日制普通科(学年制)の教育課程と時間割の具体例は、下記リンクをご参照ください。
高校の教科・科目には違いがある?|必履修、選択必履修、選択履修とは
教科・科目には、大きく分けて
必履修、選択必履修、選択履修
の3つのタイプがあります。
必履修(=必修)
全学科共通で、
必ずとらなけれなならない
「教科・科目」
を必履修と呼んでいます。
例えば、教科「保健体育」の
科目「体育」は3年間で7~8単位、
科目「保健」は3年間で2単位。
両科目とも必履修です。
選択必履修(選択必修)
全学科共通で、
必ずとらなけれなならない
「教科」
を選択必履修と呼んでいます。
教科の中から1~3科目を選択
してとります。
例えば、教科「家庭」は、
「家庭基礎」2単位、
「家庭総合」4単位、
「生活デザイン」4単位の3科目。
このうち1科目は3年の間に必ずとる
ことになります。
全学科共通で
必履修と選択必履修の教科・科目等の単位数の合計は、
最低で38単位(減単位をしない場合)です。
選択履修(選択科目)
必履修・選択必履修以外で、
自分で選んでとる「科目」
を選択履修(選択科目)と呼んでいます。
例えば、卒業に必要な単位が90単位の
全日制普通科の高校の場合、
90単位 - 必履修・選択必履修38単位 = 52単位
が選択科目となります。
卒業に必要な単位数は高校ごとに違いますが、
学年制の高校でも単位制の高校でも、
その高校で決められた
必要な単位数がとれなければ
卒業できません。
大学進学を考えている人は、
選択科目も
大学入試で受験予定の科目を選ぶ
必要がでてきます。
選択だからといって
好き自由に選んでしまうと
あとで困ったことになることもある
ので、注意が必要です。
「学年制」の高校と「単位制」高校、違いは?
最近よく聞く「単位制高校」。
実は、
すべての高等学校と中等教育学校の後期課程は、
「単位制」を採用しています。
ですが、
同じ全日制課程の普通科の高校でも、
「学年制」を中心に単位を認定されて卒業する高校
もあれば、
「単位制」で認定されて卒業する高校
もあります。違いはどこにあるのでしょうか?
学年制
多くの高校では
「学年制」と「単位制」両方で単位の認定
をしています。
高校ごとに決められている、
その学年でとらなければならない単位数が
とれないと、
「留年」(現級留置、同じ学年やり直し、ダブり)
してしまいます。
単位制
一方最近よく耳にする「単位制高校」は、
必要な単位をとることで卒業を認められる高校。
高校が定めた
単位がとれないと
「卒業させてもらえない」高校です。
「留年」(現級留置、ダブり)はありませんが、
とれていない単位をとるために
1年以上追加して
勉強しないといけないことも…
学年、ホームルームとしての
クラスを置く高校もあります。
【参考資料】全日制単位制普通科の教育課程の具体例は、下記リンクをご参照ください。
高校で、教科・科目以外に必要なのは?特別活動
教科科目以外に良く聞くのが
特別活動。
単位として計算はしませんが、
卒業に必要な条件の1つです。
特別活動は、
● ホームルーム活動
● 生徒会活動
● 学校行事
の3種類。
中でもホームルーム活動は、
週1コマ、年35単位時間以上行うもの。
全学年、一週間の時間割に
必ず1コマ以上入っています。
生徒会活動、学校行事は、
学校の実態に応じて、それぞれ適切な授業時数を充てること
引用元:文部科学省-中央教育審議会「資料2-3 高等学校等における教科・科目の現状・課題と今後の在り方について(検討素案)」(平成27年8月5日 教育課程企画特別部会資料)
となっています。
ちなみに、
朝の会、帰りの会、
ショート・ホームルームなどは、
特別活動のホームルームではない
のです。
高校の種類、タイプ、教育課程、学科、単位の基本確認 まとめ
こちらの記事では、
中学生の皆さんと保護者の皆様に
現在の高校がどんなところで、
どんな中身なのかについて、
基本的な内容に絞って
お話してきました。
記事の内容は、
●3タイプそれぞれにある「学科」も3種類。「普通科」、「専門学科」、「総合学科」。
「専門学科」のうち、主な学科20種類。
●高校ってどんなところ?高校の中身、基本を確認。
単位、教科・科目の種類と違い、「学年制」と「単位制」、特別活動それぞれの基本解説。
でした。
小中高校では、
キャリア・パスポートが導入され、
文部科学省中央教育審議会の特別部会は、
高校の普通科が3つの科に分かれる案を
示しています。
参照元:日本経済新聞-「高校普通科、3つに再編 文科省案を中教審で議論へ」(2020年7月17日 18:23 電子版)
と、将来について考えさせられる機会も
増えつつあります。
中学生時代に
高校はどんなところなのか、
基本だけでも確認しておけば、
自分自身の進路選択、進路決定に
大いに役立つのではないか、
また、高校進学後に
こんなはずじゃなかった…
という思いをする生徒さんを
少しでも減らすことに
役立つのではないか、
と考えています。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
豆知識:朝の会、帰りの会って?
●朝の会、帰りの会、ショートホームルームの扱いについて
毎日の授業の前後に「朝の会」や「帰りの会」あるいは「ショートホームルーム」等の名称をもって,ホームルームごとに時間が設定される場合が少なくなく,また,その教育的効果も高いと考えられるが,これらの時間における活動は,ホームルーム活動と密接な関連をもちながらも,ホームルーム活動そのもののねらいの達成を目指すものではないので,学習指導要領で定めるホームルーム活動の時間とは区別されるものである。
引用元:文部科学省-高等学校学習指導要領解説 総則編「ホームルーム活動の授業時数(第1章第4款の4)」(P48~49)平成21年7月
【 参考サイト・資料 】
文部科学省-中央教育審議会-文部科学省初等中等教育局参事官(高等学校担当)「高等学校教育の現状について」(令和元年7月25日高校ワーキンググループ(第1回)資料3)P56~58
山口県教育委員会-学校のしくみ-「高校にはいろいろな学科があります」
文部科学省-高等学校学習指導要領解説 総則編(平成21年7月 )第3章 教育課程の編成及び実施-第2節 各教科・科目及び単位数等-3 主として専門学科において開設される各教科・科目
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』-「専門教育を主とする学科」
文部科学省-高等学校学習指導要領解説「家庭編」(平成22年1月)
文部科学省-高等学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説「特別活動編」(平成 30 年7月)
●朝の会、帰りの会、ショートホームルーム
毎日の授業の前後に「朝の会」や「帰りの会」あるいは「ショートホームルーム」等の名称をもって,ホームルームごとに時間が設定される場合が少なくなく,また,その教育的効果も高- 48 -いと考えられるが,これらの時間における活動は,ホームルーム活動と密接な関連をもちながらも,ホームルーム活動そのもののねらいの達成を目指すものではないので,学習指導要領で定めるホームルーム活動の時間とは区別されるものである。
引用元:文部科学省-高等学校学習指導要領解説 総則編「ホームルーム活動の授業時数(第1章第4款の4)」(P48~49)平成21年7月
【関連記事】高校の選び方、おさえておきたいポイントについては、こちらをご参照ください。
【関連記事】高校の専門学科、種類と内容については、こちらをご参照ください。
教室の取り組みにつきましては、下記の記事をご参照ください。