
中学校5段階成績(評定)の出し方について、新潟市内の中学校と東京都教育委員会の公開資料をもとに、基本の部分にしぼって説明しています。
保護者の皆様の「わかりにくい」の声にお応えすべく、オリジナルの図表もご用意しました。
ざっくりつかみたい皆様にお役立て頂ける内容です!
- 記事の内容
●中学校の成績(評定)の出し方にはルールがある。
●「内申点」とは、5段階の成績(評定)の合計のこと。
●「内申点」は、高校入試で合格不合格を決める重要な材料。
●「内申点」をあげることは、希望高校進学への近道。
- 記事の信頼性
こちらの記事を書かせて頂いたのは、

●開校5年半で、新潟県内トップ私立高校合格者を輩出。
●年評定平均:中学時代3.7→高校進学後4.9、4.8の塾生を輩出。
●サポートした不登校卒塾生、大学進学。
●当ブログ、にほんブログ村カテゴリー「中学受験(個人塾)」
で、2020年6月から6ヶ月連続ランキング1位を獲得。
●元公立高校教員
●現役カウンセラー

まずは、
中学校での成績の付け方
から見ていきましょう!
どんなふうに出す?中学校の各教科の成績
小学校とは違う、中学校の各教科の成績(評定)の決め方とポイントを、新潟県の中学校を例にお話しします。
保護者の皆様ご自身の、学生時代のご経験からもよくご存知かとは思いますが、はじめにおさらいしておきます。
小学校とは違う中学校各教科の評定(成績)の出し方
小学校では、児童の皆さんが先生から渡される通知表に書かれている評定(≒成績)は、3段階でした。
これが
中学生になると教科ごとの評定(≒成績)は、5段階
に。
3段階から5段階へ成績の出し方が変わることで、
評定を出すための評価方法も変わる
のです。
評定(成績)の出し方の確認が必要な理由は?
中学校の成績評価では、通知表の
国語、社会、数学、理科、英語、保健体育、技術家庭、美術、音楽の9教科の「5」~「1」の評定の合計を「内申点」
と呼んでいます。
内申点の出し方は
もあれば、
● 3年の成績のみを内申点とする都道府県がある
など、お住いの都道府県によって変わります。
例えば、3年間の学年評定(成績)を合計して点数化する新潟県の場合、9教科の評定が
1年、2年、3年全て「5」だったとしたら、
3年 × 9教科 × 評定5 = 135点
になり、
中学校の内申点の「満点」は、135点。
この評定の合計
「内申点」(=「学習の記録」)は、
高校入試で合否を決める材料の一つ、
試験会場に入る前に決まっている持ち点
になるのです。
新潟県の高校入試の合否は、「学力検査(入試1日目)」、「学校独自検査(入試2日目)」、「内申点」で決められます。
ですから、評定の合計
「内申点」は、高校入試の合否を分けるとても重要な要素、
ご家庭でも必ずご確認して頂きたい点です。

学期ごとの各教科の成績が決まるまでの流れ
を見ていきましょう。
学期の各教科の評定(成績)が決まるまで
では、この大切な内申点の基となる
評定は、どのように決められている
のでしょうか?
表で確認!学期ごとの各教科の評定(成績)の出し方
オリジナルのシンプル過ぎる(?)表をご用意しました。
【中学校の学期ごとの評定(成績)の出し方】
※転載をおひかえ頂き、ありがとうございます。
※2021年度からの学習指導要領は、
図の4つの観点から3つの観点に変わります。
※今後の実施スケジュールにつきましては、以下のページをご確認ください。
文部科学省-平成29・30年改訂 学習指導要領、解説等-学習指導要領改訂に関するスケジュールと学習指導要領の広報について
こちらの表をもとに
学期ごとの教科の評定が決まるまでの流れ
を見ていきます。
学期ごとの各教科の評定を出す、大まかな流れ
「あなたの今学期の国語は、「4」です。」と
先生が通知表に評定を書き込むには、
評定「4」を付ける材料、「評価」を決める必要があります。
この「評価」は、評価の基準=「観点」ごとにつけられるため、「観点別評価」と言ったりします。
各教科に3~5つある(2021年度からは3つ)
「観点」ごとに「評価」していく
わけです。
この「評価」は、大雑把な表現をさせて頂くと
A ≒ 良い 、
B ≒ 普通 、
C ≒ 悪い
の3段階で付けられます。
2020年度までの学習指導要領では、この「観点」は、国語の場合5つあります。
よく耳にする代表的な評価の「観点」には、「話す・聞く能力」≒「会話力」、「書く能力」≒「文章力」、「読む能力」≒「読解力」があります。この
国語を例に、教科の評定までの流れ
を順に見ていきます。
観点ごとの評価を、評定(成績)に変えるには?
まずはじめに、国語の5つの
「観点」それぞれに、Aか、Bか、Cの「評価」をつけます。
観点②「話す・聞く能力」はどうか → A
観点③「書く能力」はどうか → A
観点④「読む能力」はどうか → A
観点⑤「言語についての知識・理解・技能」はどうか → A
次に、この観点5つの
「評価」を「もとに」教科の「評定」=成績を決める
ことになります。
上の例で、
5つの観点すべての評価が「A」でしたので、
今学期の「国語」の評定:「4」となった…
おおまかですが、こんな流れです。

評定は「5」になると思ってた…

実は、評価がオールAでも、評定「4」になることもあるんです。
特に優れている、だと「5」になります。
評定の出し方は?5段階になる中学の成績 まとめ
中学校各教科の5段階評定の出し方について、近隣中学校と東京都教育委員会の公開資料をもとに、基本の部分にしぼって見てきました。
記事のポイントは
●中学校の成績(評定)の出し方にはルールがある。
●「内申点」とは、5段階の成績(評定)の合計のこと。
●「内申点」は、高校入試で合格不合格を決める重要な材料。
●「内申点」をあげることは、希望高校進学への近道。
の5点。
小学校とは大きく変わる中学生の5段階評定(成績)の出し方をおさえておくことは、
評定の合計「内申点」を少しでも高くして、公立でも私立でも高校入試を有利に戦うためには、どうしても避けて通れない道
です。
くりかえしになりますが、
新潟県の場合、中学1年~中学3年までの評定が高校入試の「内申点」のもと
になります。
また、2021年度から全面実施となる学習指導要領では、評定(成績)を付ける材料である「評価」を決めるための「観点」にも変更が加えられます。
「高校入試対策は中3になってからでいいや…」ではなく、
できるだけ早い段階から
「どうしたら 評定アップつなげられるだろう?」と意識してもらう
ことこそ、
希望高校進学への近道
といえるのではないでしょうか。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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